真夏の向日葵 (ページ3)

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「そういえばプリクラ撮らなくなったよな。」

出かけた先のショッピングモール。
ゲームセンターの近くを歩けば、海斗がそう言った。

確かに中学生の時はよく撮っていた気がする。
その当時は隣にいて遊べることが嬉しくて、なにか形にしないともったいない！なんて思ってた。
今は隣にいることが当たり前すぎて、写真すらあまり取らなくなった。

……と言っても、隠し撮りはたまにする。
海斗の笑顔が好きで。

『プリクラよりパフェが食べたいお年頃なんです。』

「パフェ？
Aってパフェ食べんの？」

『うん。』

「知らなかった。
前は甘いものあんま食べなかったじゃん。」

『ま、まぁ？』

いや、あなたにカフェにたくさん連れられて好きになったんです。
1口いる？って初めて言われたあの日から、気づいたら注文はいつもコーヒー1つだったのが、コーヒーとパフェになってた。

好きな人の好きな物って、なんでか分からないけど移る時がある。

「てか最近会えてないんだな。」

『え？』

「Aのそういう好みとかも全く分かんないくらい一緒にいれてないんだなぁと思ってさ。」

高校になって会える日は一気に減った。
お互い部活が忙しくて、休みも合わなくて、デートって呼べる時間は月に2回あればいいほう。

自転車に2人乗りした、あんな日々は戻ってこない。

『また知ればいいんじゃない？』

「確かに。
もうすぐ夏休みだしなぁ。
どっか行く？」

嬉しそうにこっちを見る彼。

アホらしい、そう言おうと思ったけど、海斗と同じくらい私もアホらしいのも事実だと思って止めた。

隣にいるよ、だって好きだからね。

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