第百四話 ページ9
試験がある六月末より半月程前。私は駅で人を待っていた、のですが＿＿
「うわ〜、リアルで見るとすげー美人だわ。ねね、LINEやってる？連絡先交換させてよ」
「今日空いてる？ご飯奢るからさ、一緒に遊ばない？」
『結構です』
こういうわかりやすいナンパ野郎にも顔が知られてしまったことは、体育祭優勝で生まれた唯一の弊害か。
『人を待ってるんです。迷惑なのでやめて下さい』
はっきりと言ってのけると、男二人組のうち片方から舌打ちが漏れる。化けの皮が剥がれてますよ。最初からまともに被れてませんが。
「下手に出てりゃつけ上がりやがって……！いいから来いって言ってんだよ！」
片腕に手を伸ばされる。よし、このまま強く掴まれて引っ張られでもすれば投げ飛ばしても正当防衛になる。いつでもこい。
「……おい、俺らのダチに何してやがる」
絶対に掴まれると思ったタイミングで、目の前のナンパ野郎が私の腕を掠めた。今にも投げる準備してたのに、完全に肩透かしを食らった。だがそれ以上に驚いたのは……
「はっきり言えよ、じゃないとわかんねえ。なあ文次郎」
「今回は、お前の言うとおりだな、留三郎」
「ヒッ、いやっ、あの……すみませんでした！」
蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。情けない奴。まあ今は気分がいいから、さっさと忘れてやろう。そんなことよりも……
『久しぶりですね、文次郎、留三郎』
「ったく、あんな奴ら一捻りだろ？体育祭優勝者サマよぉ」
「ま、その猫被りの癖が見れただけでもよかったよ。元気そうで安心したぜ」
相変わらずの文次郎と留三郎だが、見た目はガラリと変わっていた。顔の造形などはそのままでも、背丈と髪の長さの変化は著しい。
『ところで二人とも、伊作は？』
「お前が絡まれてるのを見て俺たちだけで飛んできたんだよ」
それ絶対どこかで不運にあってるやつじゃないですか。
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六時の虹(プロフ) - えだまめさん» 一気読みありがとうございます。本当に遅筆で申し訳ないです。更新を止めるつもりはないので、これからもよろしくお願いします！ (5月2日 21時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - めっっっちゃくちゃ面白かったです！！！！一気読みしちゃいました…！！！！更新頑張ってください応援してます…！！！！！ (4月26日 18時) (レス) id: cf2c26d9bd (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - かすかすさん» 寛大な言葉に感激してます……。更新は書き溜めながら途切れないようにしていくつもりなので、よければ温かく見守ってください……！ (3月24日 4時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
かすかす(プロフ) - 久しぶりの更新...！ありがとうございまふ！！！この作品大好きなので、六時の虹様のペースでいいので、どうか更新をお願いします......！頑張ってください...！ (3月21日 23時) (レス) @page18 id: 215a8e1465 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - 六時の虹さん» おふ、、、久々の更新だあ 好きです。もちろん六時の虹様のタイミングでよろしいんですよ これからもファイトです！ (1月22日 17時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年10月15日 19時
