第百三話 ページ8
「やっぱり課題はそこだよね。若藤さんのお手本を見せてもらったけど、あれは柔道の応用なの？それとも我流？後者なら僕が一朝一夕で真似することはできないし、そもそも若藤さんってかなり体が柔らかいから全く同じ動きは僕には無理だよな……」
この細かな分析と柔軟な対応、そして貪欲な姿勢は好感が持てる。あ、念の為に言っておきますが恋愛感情はないです。叩けば叩くほど伸びるし硬くなる後輩を見つけたとでも言いましょうか。まあただ……
『わざわざ私を選ばなくても、もっと丁寧で優しい適役がいると思いますがね。特に飯田くんなんて、君が聞けば喜んで答えてくれるかと』
「いやっ、まあ飯田くんは確かにそうなんだけど……。というか、みんな僕が学ぶべきところがあると言うか……」
こういうはっきりしないところは好きじゃない。じとりと軽く睨め付けると、びくりと肩を震わせる。蛇に睨まれた蛙とはこんな感じなんですかね。
キョロキョロと辺りを見回してから、声を顰めて彼はこう言った。
「その……ヒーロー殺しと戦った時、若藤さんの格闘技術を初めて間近で目の当たりにして。若藤さんって基本的になんでもできるけど、その辺りの技術が特にずば抜けると思ったんだ。それで、もし僕が少しでも何か真似できるところがあればもっと強くなれるかな、と……」
『……そうですか』
少しでも真似できるところ、ね。
『君のそのガッツは、なかなか親近感を覚えますけどね』
「え？」
『なんでもないです。休憩終了。さっさと立ってください』
「あっ、はい！」
そこから小一時間の軽い指導を続けた。帰る直前にこれから週一で頼みたいと言われたので、授業料はもちろん取る。
普段節約の為に水道水を飲む私がジュースを奢ってもらったのは、そういうわけである。
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六時の虹(プロフ) - えだまめさん» 一気読みありがとうございます。本当に遅筆で申し訳ないです。更新を止めるつもりはないので、これからもよろしくお願いします！ (5月2日 21時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - めっっっちゃくちゃ面白かったです！！！！一気読みしちゃいました…！！！！更新頑張ってください応援してます…！！！！！ (4月26日 18時) (レス) id: cf2c26d9bd (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - かすかすさん» 寛大な言葉に感激してます……。更新は書き溜めながら途切れないようにしていくつもりなので、よければ温かく見守ってください……！ (3月24日 4時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
かすかす(プロフ) - 久しぶりの更新...！ありがとうございまふ！！！この作品大好きなので、六時の虹様のペースでいいので、どうか更新をお願いします......！頑張ってください...！ (3月21日 23時) (レス) @page18 id: 215a8e1465 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - 六時の虹さん» おふ、、、久々の更新だあ 好きです。もちろん六時の虹様のタイミングでよろしいんですよ これからもファイトです！ (1月22日 17時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年10月15日 19時
