第百十二話 ページ18
遡ること数週間前。職員会議にて。
相澤はとある女子生徒の資料を並べていた。
「若藤は芦戸・上鳴のペアに捩じ込みます」
「あら、私のところじゃなくていいの？」
ミッドナイトがそう尋ねる。彼女の元には拘束型の瀬呂・峰田のペアが当てがわれている。その傾向に合わせなくていいのか、という趣旨の質問であった。
それを聞いた相澤は頷いてみせた。
「若藤は優秀な生徒です。優秀すぎるが故に、他人に合わせる必要性を感じていない。
コイツの協力は協力ではなく、その手のひらで転がしているだけです。使える駒を動かしているに過ぎない」
「ま、言いたいことはわかるけどよ」
「だからあの二人と組ませます。校長の頭脳で芦戸・上鳴の単純な行動傾向を炙り出し、若藤には常に予想外を突きつけてください」
相澤は彼女のことを優等生だと思っている。
常に冷静に動き、周りを観察し、最適解を見つける。
そんな彼女だからこそ、一度大きな壁をぶつけておきたいと思っていた。正直な話、この試験をAが合格できるとは思っていなかった。率直に言って単純な芦戸、上鳴との組み合わせは、理論的に物事に取り組むプロセスを構築する彼女とは最悪だろうと。
不合格だったとしても、その問題にも冷静に対処するだろうし、そもそも不合格者は林間学校に連れて行かないわけではない。より扱かれるだけである。特に問題はない。
相澤のこの考えは間違っていなかった。
実際問題あの二人とAの相性は最悪だし、この試験の難易度は生徒の中でも群を抜いている。
ただ一つ、彼の見落としていた点があるとするならばそれは
＿＿若藤Aという女は、恐ろしくプライドが高いということである。
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六時の虹(プロフ) - えだまめさん» 一気読みありがとうございます。本当に遅筆で申し訳ないです。更新を止めるつもりはないので、これからもよろしくお願いします！ (5月2日 21時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - めっっっちゃくちゃ面白かったです！！！！一気読みしちゃいました…！！！！更新頑張ってください応援してます…！！！！！ (4月26日 18時) (レス) id: cf2c26d9bd (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - かすかすさん» 寛大な言葉に感激してます……。更新は書き溜めながら途切れないようにしていくつもりなので、よければ温かく見守ってください……！ (3月24日 4時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
かすかす(プロフ) - 久しぶりの更新...！ありがとうございまふ！！！この作品大好きなので、六時の虹様のペースでいいので、どうか更新をお願いします......！頑張ってください...！ (3月21日 23時) (レス) @page18 id: 215a8e1465 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - 六時の虹さん» おふ、、、久々の更新だあ 好きです。もちろん六時の虹様のタイミングでよろしいんですよ これからもファイトです！ (1月22日 17時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年10月15日 19時
