第百十一話 ページ17
我々を乗せたバスがたどり着いたのは工業エリア。考えうる中で最も最悪な場所に連れてこられた。私の個性が圧倒的に不利に働く場所だ。
しかもここはクソ広い。根津校長はカフスを渡して試験に関する説明をした後、スタート位置へと行ってしまった。その僅かな時間に基本的な方針だけをさっさと決める。
『作戦を決めましょう。恐らく捕縛はほぼ無理です。なので、脱出を目標にしたいのですが』
「え！？でも、Aの個性があれば楽勝じゃない？」
『このだだっ広く障害物だらけの場所で校長先生を探せと？時間切れまっしぐらですよ』
校長先生の個性は“ハイスペック”。人間以上の頭脳を持つという、単純明快ながら厄介なことこの上ないもの。この考えもお見通しだとは思うが、それでも出来ない課題に真っ向から取り組むほど私は馬鹿ではない。
「確かに……」
「よし！作戦決定ね！」
この選択を見越した上で相手がどう出てくるかが問題なんですが……個性はその頭脳、つまり攻撃、拘束に長けているわけではない。
嗚呼、怖い。こんなに相手のことが読めないのは久方ぶりだ。
大きく息を吸って、吐く。
肺の中の空気が入れ替わったその時、アナウンスがかかった。
「皆位置についたね。それじゃあ今から雄英高校１年、期末テストを始めるよ！
レディイイ＿＿……ゴォ！！！」
その瞬間、凄まじい破壊音が響く。何の音かと思って視線を彷徨わせれば、ドミノ倒しのように鉄塔やらタンクやらが崩れてきた。
「うわっ！？逃げろ！」
「A、早く！」
『待って下さい！そっちは、』
ゲートとは反対方向。
そういう前に、上鳴くんが私の腕を引く。間一髪のところで躱したとはいえ、これはまずい。
『こういう攻め方ですか……！』
フィールドそのものを破壊してくるとは、私の読みが甘かった。ごきり、と首を鳴らす。
『一筋縄では、いかないというわけですね』
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六時の虹(プロフ) - えだまめさん» 一気読みありがとうございます。本当に遅筆で申し訳ないです。更新を止めるつもりはないので、これからもよろしくお願いします！ (5月2日 21時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - めっっっちゃくちゃ面白かったです！！！！一気読みしちゃいました…！！！！更新頑張ってください応援してます…！！！！！ (4月26日 18時) (レス) id: cf2c26d9bd (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - かすかすさん» 寛大な言葉に感激してます……。更新は書き溜めながら途切れないようにしていくつもりなので、よければ温かく見守ってください……！ (3月24日 4時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
かすかす(プロフ) - 久しぶりの更新...！ありがとうございまふ！！！この作品大好きなので、六時の虹様のペースでいいので、どうか更新をお願いします......！頑張ってください...！ (3月21日 23時) (レス) @page18 id: 215a8e1465 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - 六時の虹さん» おふ、、、久々の更新だあ 好きです。もちろん六時の虹様のタイミングでよろしいんですよ これからもファイトです！ (1月22日 17時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年10月15日 19時
