第百六話 ページ11
お昼も食べて、今日はこれでおしまい。少し名残惜しいけれど、顔が見れただけでも万々歳だ。
「A、今日はありがとう。楽しかったよ」
『あら、それはこちらの台詞ですよ。いい息抜きになりました』
「いや、お前が思ってるよりもこっちはずっと感謝してるんだぜ？」
「嗚呼、今回ばかりはこいつと同感だな」
『あらやだ、夕立は勘弁してください』
私がそう言うと、顔を見合わせて吹き出した。
「お前、どうせ教室では猫被ってるんだろ？疲れたらいつでも俺たちに連絡しろよ。まあ、文次郎よりも俺の方が相談にゃ向いてると思うけどな」
「ンだとぉ！？同じ組だった俺の方が相談しやすいに決まってんだろ！」
私と伊作からすれば仔犬がじゃれついているようにしか見えないが、周りからは二人が今にも喧嘩を始めようとしているように映るだろう。伊作と目を見合わせて、頷く。大事になる前にさっさと喧嘩を止めるとしますか。
頭をばしんと軽く叩いてから冷め切った声と目で、ここは公道なんですが、と言い放つ。するとびくりと肩を震わせてからすぐに喧嘩は止まるのだ。あんまりしたくないんですけどね、後輩から怖がられますし。
『それじゃ、私はこれで』
「お？嗚呼、またな！」
「ま、元気でやれよ」
そう言って、私はみんなに背を向けてまた歩き出した。
ーーー
ーー
ー
Aの背中が見えなくなるまで、三人はひたすらに見続ける。そして彼女が角を曲がって明らかに自分たちを意識から外したと認識して、ようやく言葉を紡ぐことができた。
「……っっっぶねぇー！絶対なんか勘づいてただろ！」
「お前の誤魔化し方が下手くそすぎんだよ！」
「んだとォ！？」
「本当に恥ずかしいからやめてよ二人とも！」
再び喧嘩が始まりそうな二人の空気を伊作が切り捨てる。それに反応して留三郎と文次郎も我に帰ったように口を止めた。
「Aが口にしないってことは確信がないってことだから、きっと大丈夫だよ。そんなこと昔から知ってるだろう？」
「まあ、そうだけどよ」
「ヒヤヒヤしたぜ……アイツ異様に勘がいいからな」
「とにかく、Aのテストの予定もわかったし、この後のことも決めないと」
「そうだな、早いとこアイツらにも連絡しようぜ」
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六時の虹(プロフ) - えだまめさん» 一気読みありがとうございます。本当に遅筆で申し訳ないです。更新を止めるつもりはないので、これからもよろしくお願いします！ (5月2日 21時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - めっっっちゃくちゃ面白かったです！！！！一気読みしちゃいました…！！！！更新頑張ってください応援してます…！！！！！ (4月26日 18時) (レス) id: cf2c26d9bd (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - かすかすさん» 寛大な言葉に感激してます……。更新は書き溜めながら途切れないようにしていくつもりなので、よければ温かく見守ってください……！ (3月24日 4時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
かすかす(プロフ) - 久しぶりの更新...！ありがとうございまふ！！！この作品大好きなので、六時の虹様のペースでいいので、どうか更新をお願いします......！頑張ってください...！ (3月21日 23時) (レス) @page18 id: 215a8e1465 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - 六時の虹さん» おふ、、、久々の更新だあ 好きです。もちろん六時の虹様のタイミングでよろしいんですよ これからもファイトです！ (1月22日 17時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年10月15日 19時
