第九十一話 ページ45
エンデヴァーに応援要請を受けたヒーローたちが続々と到着する。その中には緑谷くんの職場見学先のヒーローもいたようで、彼は顔面に蹴りを受けていた。
「子供……！？」
「酷い怪我だ、救急車呼べ！！」
「おい、こいつ……ヒーロー殺し！！？」
統率が取れてない。
さっさとしてくれませんかねぇ、こっちは立ってるだけでやっとなんですよ。
ヒーローたちにヒーロー殺しを預けた轟くんがいよいよ私をおんぶか抱っこする前に救急車を呼んで欲しい。そんなことされた暁には自尊心が爆散する。
しかしそんなことを考えられる程度には落ち着いてきた。
「……三人とも、僕のせいで傷を負わせた。本当にすまなかった。
何も……見えなく……なってしまっていた……！」
静かだった飯田くんが、腰を折って謝罪の言葉を述べる。そこには自責の念もあって、後悔も込められていて、聞いているだけでとても苦しかった。
「……僕もごめんね、君があそこまで思い詰めていたのに全然見えてなかったんだ。友達なのに……」
『子供が行き先を見失って迷子になった、それだけの話です。これからは、一緒に道を示し合っていきましょう』
「しっかりしてくれよ、委員長だろ」
三者三様の、飯田くんを奮い立たせ励ます言葉。それにしっかり頷いてくれた彼ならもう大丈夫だろう。安堵と一緒に緊張感も抜け、自然と笑みが溢れてくる。
そんな空気を切り裂くように、本能からくる警戒心が働く。これはまずいと思った頃には、グラントリノが声を上げていた。
「伏せろ！」
時既に遅し。上空から迫ってくる脳無は緑谷くんを掴むや否や、一目散に再び飛び立つ。
「緑谷くん！」
「やられて逃げてきたのか！」
今この場に追いつける個性を持つ人間はいない。空に逃げられてはもうなす術がなくなる。
万事休すか、と誰しもが諦めかけた時、動くはずのない気配が動いた。
しっかり縛っていたはずで、あまりの展開に完全に気が抜けていて、油断していた。
動きが完全に止まって墜落した脳無に襲いかかる黒い影は、この世のものとは思えないほどの殺気を纏っていた。
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
