第九十話 ページ44
数分前、side山本シナ
「(Aちゃん、一体どうしちゃったの？あの子があんなに葛藤を見せてから私の指示に背くなんて……)」
やや癖はあるものの、自身の尊敬する相手の言葉は素直に受け止めて従う性格。それが山本シナが６年間見た彼女への印象。だから今回も、しっかり自分の安全を確保しつつ避難誘導に協力してくれると思っていた。
しかし予想を裏切る形で、彼女はあっという間に走り去ってしまった。
「(……大丈夫、賢い子だもの、きっと本当に大切なことがあったのね。それなら、任された大人は応えなきゃ！)」
教え子を信じることに決めたシナ。そのタイミングを狙ったかのように破壊音が響く。
自分のいる方向に向かってくるのは、脳無が一体。それを視認してから彼女は、一直線に脳無に向かって走り出し、飛び蹴りを入れる。一見すれば大したダメージは入っていない。だが脳無は異様なほどに苦しんでいる。
「苦しい？今大体５歳くらい老けたところね。慣れてなければ苦しいでしょう。
まあ、すぐに要介護にしてあげるわ」
仕掛けてくる脳無の攻撃に怯む素振りも見せず受け流し、その節々で無防備になる腕や脚に触れていく。
そして時間にして凡そ５分ほど。たったそれだけの時間で、脳無の体は老い、先ほどの凶暴性が見る影もないほどに弱り果てた。
触れた秒数分の年数を操作できる。それが彼女の個性。多く見積もっても３０代後半の脳無を老衰寸前まで追い込むことなど難しくはない。
「案外大したことないわね。雄英に侵入したのとはまた違うのかしら」
「ここに脳無が出たと聞いたが、捕縛はまだか！」
「あら？」
「む」
遅れてきたのはエンデヴァーであった。彼女とも面識のあるヒーローだ。
「ごめんなさいね、エンデヴァーさん。緊急事態みたいだったから、つい助けに入っちゃったわ。貴方の功績にしておいてね」
「山本シナ……そうか、貴女もヒーロー殺しの任務でここに」
「世間話してる暇はないわ。あとどれくらいいるのかもわからないもの」
「……嗚呼、その通りだな。だが、貴女と俺がいるのなら勝ったも同然だ」
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
