第八十四話 ページ38
「二人とも、そいつに血ィ見せちゃ駄目だ！多分血の経口接種で相手の自由を奪う！皆やられた！」
『了解です』
「それで刃物か。俺たちなら距離保ったまま……」
その瞬間、刺されると直感するほどの殺気が飛ばされる。自分の方に飛んできたナイフは咄嗟に小手で防いだが、轟くんの方は顔を傷つけられている。
落ち着け。瞬きの間に状況が進展している。状況を常に把握しろ。
しかし間髪入れずに、彼の眼前に黒い影が迫る。
『(嗚呼、もう！)』
腰にさしている二つの鉄扇を抜く。轟くんは一旦は大丈夫だ。炎と氷で僅かでも時間と距離を稼げる。それよりも対応しなければならないのは、
『(ヒーロー殺しの刀！)』
先ほどナイフと同時に投げていた。ナイフの方に気を取られて対応が遅れた。いや、でもまだ間に合う。
直後に彼の側に降ってきた刀をそのまま鉄扇で弾き飛ばす。轟くんもヒーロー殺しから距離を取れたものの、すぐに刀を回収されてしまった。クソが。
相手の得意な間合いに持ち込ませてはいけない。ペースごと乗っ取られる。抜いた鉄扇を納めることなく間合いを詰めた。このまま流れを持っていきたい所だが、轟くんの氷の勢いが弱まる。何日和ってるんですかねぇ。
『轟くん、攻撃は躊躇わないでください！私は勝手に避けます！』
「ッ、わかった！」
とにかく動きが速い。攻撃される場所はわかっても、冷静に対処できるのはそれに追いついて捌くところまで。感覚で動きすぎると轟くんの氷を回避できなくなる。おまけに血を流せばその場でゲームオーバーに等しい。
いや、弱気になるな。最前線を私で止めろ。轟くんの方へ距離を詰められるのはもっとまずいだろう、しゃんとしろ！
「お前、お前の眼は……」
『はぁ？何言ってるか全然わかりませんねぇ！』
「何故お前のような者までが……相応しくない……！贋物にもなりきれないような者がヒーローを名乗るな！お前も粛清対象だ！」
本当に何の話か皆目見当もつかないが、話にかまけてる分攻撃の勢いが若干弱まった……気がする。いや、怒っているせいで冷静さを失いかけているのかもしれない。
この際どちらでもいい。今は時間をいくら稼げるかが勝負だ。この好機を活かさない手はない。
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
