第八十三話 ページ37
「……！？若藤！？」
『轟くん！？』
例の路地裏へと走っている途中で、バッタリ遭遇したのはクラスメイトだった。何故。
「お前も緑谷の……」
『目的が一緒なら話が早い。土地勘があるので、ついてきてください』
入り組んだ路地は方向感覚を失いやすい。とはいえ、一日目でここら近辺の道を一通り頭に叩き込んだ私からすれば全く関係のない話だ。
「嗚呼、助かる！」
右へ、左へ、また右へ。気持ちばかりが急ぐが、轟くんがついてきているかの確認のためにスピードも制限して何度か後ろを振り返る。振り切ってしまいそうで怖いんですよね。
「……！いたぞ！」
『奥に倒れてる人もいますね。派手に個性を使って敵の気を引いてください。すぐそばの人間は私が回収します』
遠目に見えた、緑谷くんと飯田くん。そして刃物を持った敵と倒れているヒーローらしき人物。嫌な予感が当たったか……。
走った勢いそのままに地面を踏み切って跳躍する。そして壁を強く蹴って、前へ上へと駆け上る。完全に彼らの視界を外れ、敵の頭上へと楽々移動できた。
私を巻き込む心配がないとわかった轟くんが、今まさに刃物を振り下ろさんとするヒーロー殺しに向かって炎をぶっ放す。タイミング完璧です。
「次から次へと、今日はよく邪魔が入る……」
「若藤、頼む！」
『わかってますって！』
敵が彼の攻撃を交わすために緑谷くんたちから離れたその瞬間、転がってる三人を上から樹木を伸ばして回収する。かなり乱雑に移動させたにも関わらず、彼らの体は微動だにしない。
再び壁を蹴って後ろへ下がり、轟くんの隣に着地する。
『……拘束系の個性ですね』
「なるほどな、情報通りのナリだ。
＿＿こいつらは殺させねえぞ、ヒーロー殺し」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
