第七十九話 ページ33
「小さい頃、親にそういう奴らに売られて、組織に莫大なお金を払った人を若返らせる仕事をさせられててね。お陰で戸籍もないのよ」
壮絶な話をニコニコ笑って話す様子は、正直言って異常としか言えなかった。今自分がどんな顔をしているのかさえわからない。
「その組織がオールマイトの活躍で潰されて、私が解放されたの。で、今は警察のちょっと特殊な部署に所属するヒーローとして働いてるってワケ」
『そうでしたか……』
自分が思っているよりも桁の違う規模だったことに驚きが隠せない。シナ先生が今なんとも思っていないのなら、私個人がこれ以上踏み入る必要はない話だ。しかしそれにしたって、壮絶の一言に尽きる。
「私はね、いない存在なの。この個性の存在ごとなかったことにされている。もし私がヒーローとして手柄を上げても、それは他のヒーローの功績として扱われる。
ホントなら職場体験どころかサイドキックも取れないんだけどね、ワガママ言ったら通っちゃったのよ」
ワガママ、ね……。この人のことだから、お偉いさんの弱みの一つや二つは軽く握ってそうですが……。深く考えるのはやめましょう。触らぬ神に祟りなし、というのだから。
『して、私は一体どんな活動にご一緒するんですか？』
「嗚呼、その話ね！私の今任されている仕事はね、ヒーロー殺しの追跡よ」
『……ヒーロー殺し』
「ええ。でも安心して。Aちゃんの安全は保証するから」
ここ最近やたらとニュースに取り沙汰されている敵だ。世直し的なことをする為にオールマイト以外のヒーローを死傷まで追い込んでいることからついた名前である。
嗚呼、そういえば……
『(先日、飯田くんのお兄様も被害に遭われたとか……)』
世間は狭い。彼には気の毒な話だが、今はそういう状況ではない。聡明な彼が馬鹿なことをしないように祈るばかりである。
「そういうわけで、今から新幹線で保須まで行くわよ！」
『……今からですか！？』
「積もる話もあるから、一番いい席取っちゃったのよ。個室よ個室。女二人で楽しみましょ！」
『えっ、ちょっと、待ってください！』
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
