第六十七話 ページ21
例の二人と会う前に、先にタカ丸と合流する。駅前にある個室ありの喫茶店を予約してあるらしく、念の為にそこで待っていて欲しいとのこと。もし忍たまでなければ、私に連絡を入れるからそこでコーヒーの一杯でも飲んで帰るという話になった。
『いや、まあでも……』
「多分あの二人だよねぇ。高野豆腐さんなんて、今まではずっと豆腐のアレンジレシピとか、おすすめの豆腐屋さんとか紹介してたんだけど、体育祭の後はAちゃん関連の呟きが増えてるもん」
まんまじゃないですか。
「じゃあ行ってくるね。ここで待ってて！」
『はいはい。転ばないようにしてくださいね』
ーーー
ーー
ー
喫茶店でコーヒーを頼んで、本を読む。それでも、何だかそわそわと落ち着かない。平静を装えていると思っていたが、そんなことはなかったらしい。
そうこうしているうちに、外からは三つ足音と気配。一つはタカ丸のもの、もう二つは、５年間慣れ親しんだ気配。ふとした懐かしさを覚えて、わずかに笑みがこぼれ落ちる。
すうっと扉が開く。そちらに目を向ける。
視線の先にに立っていたのは、私のかわいいかわいい後輩二人だった。うすい水の膜を張った驚きの目がこちらに向く。その顔がまた可愛くて仕方がない。
「……A先輩、ですか……？」
「俺たちのこと、覚えてますか」
『ええ、勘右衛門、兵助。元気でしたか？こちらに来て、もっと顔をよく見せてください』
手を広げて迎える様なポーズを取れば、二人が泣きそうな顔で駆け寄ってくる。私の肩に顔を埋めて啜り泣く様子がどうにも一年生の頃を思い出させて、また笑ってしまった。二人を慰める様に撫でて、出来るだけ優しい声色を作る。
『無事でよかった。元気そうでよかった』
「はい……！はい……！」
「A先輩も、会えてよかった……！」
そんな私たちを、タカ丸は優しい顔で見守っていた。
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
