第五十九話 ページ13
ペースを取られた。このまま攻められれば間違いなく負ける。
考えろ、冷静になれ。私ならできる。
「爆豪の猛攻！若藤が逃げる逃げる！」
「ちょこまかと鬱陶しいんだよ！」
『(少し考える時間が欲しいものです)』
私の願望が無理なのは知っているが、そう思わずにはいられない。
四方八方、何処からでも飛んでくる攻撃に対処できてはいるし、なんとか直撃は免れている。とはいえこのまま彼の調子が上がればそれも難しくなるし、私の隙も増える。それだけは避けたい。
このままだと負ける、絶対に。私の勘がそう言ってる。負けること自体がもう最悪だけど、何もせずに負けるなんてもっとありえない。私にとっては後者の方がただの敗北よりも惨めで屈辱的で、誰にも見せたくない醜態だ。
『(決勝戦まで隠しておきたかったんですけどね)』
しかし、ここで使わずいつ使う。
やるしかないんですよ、紫藤A。
攻撃を交わすために走り回りながらあちらこちらに種を蒔く。この際これは気が付かれても構わない。兎に角次の攻撃でカタをつける。
「死ねオラ！！」
『(今だ！)』
彼が私に飛びかかってきたその時、今まで蒔き続けた種をまとめて成長させる。
一瞬でコートの全域を覆ったのは、今までのただの蔓や樹木ではなく、美しく花を咲かせた藤の木だった。
瞬きの間に爆豪くんへそれらを伸ばし、拘束を試みる。が、あえなく爆破され失敗。
「テメェは学習しねぇのかよ！！」
『してますとも、もちろん。君にこんな攻撃が通用すると思っていません』
狙いは拘束じゃない。彼が樹木を爆破したことによって、花は散り、そこら中に舞い落ちる。爆豪くんはこれが私の最後の切り札だと思ったのだろう。
嗚呼、なんて愚かで哀れで可愛いのだろうか。
＿＿彼を絡めとる準備がこれで終わったとも知らずに。
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
