第五十八話 ページ12
未だ熱冷めやらぬ中の準決勝。フィールドには、不敵に笑う爆豪くんが立ちはだかっている。
会場の熱狂が、視線が、ひりひりと私の肌を焼く。自分で言うのもアレだが、私、爆豪くん、轟くんはこの場にいる大半のヒーローたちから注目されている。これからヒーローとしての将来を想像しても、今日初めてのこの感覚には慣れなければいけない。
「ハッ、涼しい顔貫きやがって。クソうぜえ」
『生憎こういう顔なんです。気に障るのなら慣れてください』
声をかけて来たと思ったら悪態。彼はそれしか喋れないのか、ただコミュニケーションが下手なのか。爆豪くんの行動パターンはいくつか予想を立てている。緑谷くんには及ばなくとも、彼の動きに対処できるよう私なりに分析してきた。負けるわけにはいかない。
マイク先生の声がゴングとなり、その瞬間に彼は個性で飛びかかって来た。
「くたばれ！」
『(そんな攻撃予測済みですよ！)』
攻撃を受け流したと同時に、強烈な掌底撃ちを顎に叩き込む。かなり綺麗に入ったが、彼も流石にタフだった。手応えからして、軽く視界が揺れている程度だろう。
先ほどの切島くんとの試合を見ても、爆豪くんはスロースターターなタイプだろう。
彼との勝負では、長期戦も常闇くんのような追いかけっこもこちらに不利すぎる。だから、
『(徹底的に攻めるしかない)』
再び攻撃を仕掛けてくる前に、彼の頭上と両サイドに種を飛ばした。樹木を伸ばして縛り上げようと試みる。複数の方向からの攻撃は手こずるかと思ったが……
「小賢しいんだよクソが！」
一瞬でサイドの樹木を爆破。頭上からの攻撃も難なくかわす。はしたなくも舌打ちが飛び出てしまった。
その瞬間、視界から彼の姿が消え、頭上から凄まじい殺気が立ち込める。
『(動け、動け！このままだと直撃する！)』
「死ねぇ！！」
思わず固まった体に鞭打って、なんとか寸前のところで攻撃を転がるように回避。すぐに体勢を整えて次の攻撃に備えるが……
『(クソ、攻勢を取られた)』
一方的に攻められるような状態に持ち込まれてしまった。これはまずい。
ーーー
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六時の虹(プロフ) - 梅干しさん» コメントありがとうございます！伊作の他にもちゃんと忍たまキャラ出すので、これからもこの小説をよろしくお願いします！ (10月16日 8時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - ルククさん» ありがとうございます！伊作はここで出すと決めてたので、そういう反応はめっちゃ嬉しいです！ (10月16日 8時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し - 伊作先輩だぁぁぁぁ！！！！めっちゃうれしぃぃぃ、ほんとこの後の展開気になる！いつも素敵な作品ありがとうございます！ (10月9日 23時) (レス) id: 3545da5797 (このIDを非表示/違反報告)
ルクク(プロフ) - うわぁぁ！伊作が出てきたぁぁぁぁぁあ！！！！めっちゃくっちゃ気になります！楽しみです！頑張ってください！ (10月9日 8時) (レス) id: 9d9335310e (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - みずみずさん» ありがとうございます！更新は途切れがちですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします！夜更かしにはお気をつけて！ (10月5日 15時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2023年1月20日 22時
