第四十三話 ページ46
『(＿＿嗚呼、油断した！あれほど気をつけていたのに、私は彼をマークしなかった。もっと冷静に考えればわかっただろうに！)』
みんなが見ているかもしれないのに、無様を晒した。私は今日ここで自分の強さを証明しないといけない。そうしないとあの子達を安心させてあげられないのに。
『(いや、体育祭の本番は最後のトーナメント。こうなったらどんな手を使ってでも次の予選は生き残ってやる……！)』
そうこうしているうちにミッドナイトから第二種目の説明が入る。簡単に言うと、ポイント制の騎馬戦だった。先の障害物競走の順位で決められた個々人のポイント。２人から４人で騎馬を組んでポイントの争奪戦をする。
「与えられるＰは下から５ずつ！そして……１位に与えられるＰは１０００万！！」
その言葉を聞いて一斉に視線が一点に集中する。
１０００万。下手なクイズ番組のようなポイントのインフレだ。とんとん拍子に話は進み、騎馬を組むための話し合いが開始された。
『(緑谷くんと組めば目立てますが、リスクが大きすぎる)』
孤立無縁、四面楚歌。１０００万さえ取って仕舞えば勝ちなのだから、当然そうなるだろう。私の目的は優勝。ここは大人しく慎重に駒を進めよう。
「……なあ、」
背後から話しかけてきた気配。私はそれが誰かを知っている。その上で、何も言わずに振り向いて相手の口を手で塞いだ。振り向きざまに見えた余裕のある表情は一瞬で驚きに染まった。
『君の個性は割れてます。その上で私と組みたいと言うなら話をしましょう。ただし、私に個性をかければ君の個性のことを次のお昼休みの時に言いふらします』
相手はいつぞやの紫髪の彼。遡ること一週間前。彼の個性が知りたくて、クラスを突き止めてからＣ組の人とそれとない話をして聞き出したのだ。忍者の情報収集力を舐めないでほしい。
『答えが了承なら瞬きを一回、お断りなら二回してください。断るだけなら言いふらしはしません。ですが……私に乗ってくれるなら、君を絶対に決勝トーナメントに連れて行くと約束しましょう』
「……！」
『さあ、どうします？』
にっこり笑って問う。この仕草、怖いからやめてくれとよく三郎や勘右衛門に頼まれましたっけねえ。わずかに目を泳がせた後、瞬きを一回。交渉成立。
『では改めて、若藤Aです。念のためもう一度言いますが個性を私に使ったら本当に言いふらします』
「……わかった。心操人使だ」
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六時の虹(プロフ) - もんちゃんさん» ありがとうございます！この夢主ちゃんやや捻くれてるというか、クセがあると思ってたのでそういってもらえると嬉しいです！ (2022年12月11日 20時) (
レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - めっちゃ夢主ちゃん好きです！！ (2022年12月8日 20時) (レス) @page46 id: a2e7ecf5df (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - 黒砂糖パフェさん» ありがとうございます！忍たまキャラは近いうちに必ず出すので、それまでこの小説に付き合っていただければ幸いです！ (2022年12月6日 22時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
黒砂糖パフェ(プロフ) - とても面白いです！早く忍たまのキャラが出てくるところを見てみたいです。頑張ってください！ (2022年12月5日 19時) (レス) @page44 id: ebc4dd80bc (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - (名前)カノンさん» コメントありがとうございます。パスワードをかけている作品は、お恥ずかしながら完全に更新が止まっているものでして…。それでもよければ、どうぞよろしくお願いします。 (2022年11月6日 23時) (レス) id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六時の虹 | 作成日時：2022年6月11日 17時
