Lemon Tea. (ページ7)

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Lemon 07 ページ7

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「ひらつと仲良くなれたみたいで良かった」

「ひでくん、平塚くんのこと紹介してくれたら良かったのに」

オムライスを食べ終えて、

その場でくろちゃんと平塚くんとは解散して

ひでくんと二人での帰り道でそう話せば

ひでくんは何も言わずに笑ってて。

「ひでくん？」

「...別に俺が紹介する必要ないかなって」

「えー、なにそれ」

「...まぁ、こっちの話。でも結局俺が紹介しなくてもひらつと知り合えたんだからいいじゃん」

「それはそうだけど...」

ひでくんは頭がいいから、

昔から私に対して分かりづらい

言い回しをすることがある。

別にそれで困ったことなんて一度もないけど、

もう少し分かりやすい言い方できないのかなって。

「でも出会って一日も経ってないのにあんなに仲良さそうにされると、さすがに寂しい」

「...えー、ひでくんがそんなこと言うなんて珍しい」

「いいじゃん、たまにはそういう俺も」

「なに暑さでやられたの？」

「...うん、暑さにやられた」

昔から私の中でひでくんは、

"お兄ちゃん的存在"でしかなくて。

同い年だけど、お兄ちゃんみたいだった。

だからひでくんのこと恋愛対象として

見たことなんて一度もなかった。

「夏期講習、頑張ってね」

「Aも、補習サボらないようにね」

そう言ってひでくんに手を振ってから

家の中に入れば、ちょうどママが

家を出ようとしていて。

「...パパも今日遅くなるって」

「...うん、分かった」

昔はもっと笑いあっていた家族だったのに、

いつからこんな業務会話しか交わさない

親子になったんだっけ。

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