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Lemon 48 ページ48
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目を開くと、人工呼吸器が付けられていた。
...あー、人間ってほんと脆いんだね。
こないだまでこの身体で夏祭り行ってたんだよ？
学校だって通ってたし、補習も全部受けてた。
知らない人が見たら、ただの女子高生だったのに。
「Aちゃん...っ」
「A」
「星宮...っ」
あー、こんなことになるなら優里奈に
話しておけばよかった。
きっと、私が死んだ後泣いてるだろうなぁ。
"なんで言ってくれなかったの"って怒りもしそう。
「...Aちゃん」
入り口付近に立っていた平塚くんは、
私の側まで来るとギュッと手を握ってきた。
「.........しょ......ま...く......」
人工呼吸器を付けてるから思うように話せなくて、
それでも平塚くんは私が下の名前を呼んだことに
ちゃんと気付いてくれた。
「なに、Aちゃん」
うっすらと見える平塚くんの目には、
涙が溜まっているように見えて。
...あー、もうそんな顔しないでよ。
私、平塚くんの笑ってる顔大好きなんだから。
「.........だ......すき......だ.......よ」
私がそう言った瞬間、
平塚くんの目からは涙がこぼれ落ちた。
...病室には平塚くんとひでくんと、くろちゃん。
みんなのすすり泣く声が響いていた。
「おれも、大好きだよ」
平塚くんからのその言葉を聞いて、
私は安心したのか目を閉じた。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月20日 19時
