Lemon 30 ページ30
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「平塚くん！」
私の家が見えるところまで来ると、
平塚くんはスマホを弄りながら
私の家の前に立っていて。
急いで平塚くんに駆け寄れば、
平塚くんは"ストップ！"と私を止めた。
「急がなくて大丈夫だから」
「あっ...つい走っちゃった」
「...Aちゃん、浴衣似合うね。可愛い」
「...平塚くんも浴衣似合う、かっこいいよ」
急にそんなことを言ってくるから、
少しだけ恥ずかしくて。
平塚くんにも同じようなことを言えば、
平塚くんは"思ってる〜？"なんて笑っていた。
「...あ、Aちゃん手出して」
「ん？」
「人多いから、手繋がないとハグれちゃうでしょ？」
平塚くんはそう言うと、恋人繋ぎをしてきて。
"Aちゃん小さいからハグれたら見つけらんない"
なんて言ってきた。
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「ラストの花火さ、俺よく見えるところ知ってるからそこで見ない？」
「え、見たい！」
「決まり〜。結構穴場だから人少ないし、お勧めだよ」
神社に近付くにつれ、だんだんと人の数は
増えてきて、"平塚くんと手繋いでてよかった"
なんて思ったのが行動に出てしまったのか、
平塚くんの手をギュッと握り直してしまった。
「どした〜？」
「あ、いや...人増えてきたなって」
「確かに、やっぱり手繋いでて正解だったね」
平塚くんはそう言うと、
"まず何食べよっか〜"なんて屋台の話をしてきて。
...あんなにずっとモヤモヤしてたのに、
平塚くんと話してたらあんなのどっか行っちゃったな。
「平塚くんってさ、」
「ん？」
「レモンティーみたいだね」
「えー、なにそれ！適当に言ったでしょ！」
「違うよ、適当じゃないもん」
「えー？まぁ悪い意味じゃないならいいかぁ」
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月20日 19時
