Lemon 29 ページ29
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「わっ...！A可愛い！いや、いつも可愛いんだけど！」
夏祭り当日、優里奈のお母さんに着付けをしてもらい
ヘアセットは優里奈にやってもらった。
そうやって言ってる優里奈の方が可愛いんだけどね。
「...なんか浮かない顔してるね？」
「え？そんなことないよ」
本当は昨日の夜からずっと、
ママのことが頭から離れないでいるけど
せっかくの夏祭りなのにダメだよね。
...平塚くんの前ではちゃんと笑ってないと。
「そういえば、安嶋部活のメンツと行くんでしょ？」
「うん、そうみたい。優里奈誰から聞いたの？」
「いや誰からも聞いてないけど安嶋ストーリーにあげてたから」
優里奈はそう言うと、数時間前に
ひでくんがあげたストーリーを見せてきた。
「..."今年は男子だけで夏祭り！"かぁ」
「案外落ち込んでないんじゃない？」
そうは言っても、あの日からひでくんには
会ってないし連絡も取ってない。
別に避けてるわけじゃないけど、基本的に
私が外に出る用事がないから会えないんだよね。
「平塚と何時に待ち合わせしてるの？」
「ん？16時半に私の家の前で待ち合わせしてる」
「あれ、じゃあそろそろ出ないとじゃない？」
優里奈に言われて、ロック画面を見れば
"16:10"と表示されていて。
「わっ...全然気付かなかった。優里奈は？何時にくろちゃんと待ち合わせしてるの？」
「私は16時50分に神社の横の公園で待ち合わせだからまだ余裕あるの」
「そっか、じゃあ私先に行くね？着付けもヘアセットも助かった、ありがとう」
「いいえ〜、お母さん買い物行っちゃってると思うから私から言っておくね」
「うん！よろしく伝えておいてください」
優里奈の家を出て、平塚くんにメッセージを送ろうと
アプリを開けばちょうど平塚くんからメッセージが届いた。
ひらつかしょうまごめん!早く着きすぎた!
Aいま友達の家出たから、ちょっと待たせちゃう!ごめんね
平塚くんのメッセージにそう返すと、
平塚くんからは、あのお笑い芸人のスタンプが送られてきた。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月20日 19時
