Lemon 18 ページ18
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「可愛い浴衣見つかってよかったね〜！」
「ね〜！当日楽しみだなぁ」
無事にお互い気に入る浴衣が見つかって、
優里奈は黒地に紫と白のラナンキュラスが
描いてある少し大人っぽい浴衣にして、
私は白地に黄色のボダイジュが描いてある浴衣を選んだ。
「うちのお母さん、着付けできるから当日うちおいで！」
「ほんと！私できないから助かる！」
ママができるのは知ってるけど、
どうせ病院に寝泊まりしてるか、
帰ってきてても部屋から出てこないだろうし。
「そういえば、安嶋は？一緒に行くとか言わないよね？そんなの安嶋が報われない...」
「...え、優里奈ひでくんの気持ち知ってたの？」
「いやあれ気付かないのなんてAくらいでしょ」
まだ時間があるし、ってことで近くにあった
カフェに入ってお互い注文し終わったあと、
突然思い出したようにひでくんの名前を出すから
一瞬間が出来てしまって。
まるでひでくんの気持ちを知ってたかのように
言ってくるもんだから、そう言えば優里奈は
"当たり前"とでも言いたげな顔で言ってきた。
「...ひでくんには告白されて、振ったよ」
「え、なにそんなとこまで進んでんの？」
"安嶋頑張ったのかぁ"なんて、
親戚のおばさんみたいなことを優里奈は
アイスカフェオレを飲みながら言っていて。
「まぁでも、安嶋なら知ってるでしょ？Aが平塚のこと好きだって」
「うん、その時に聞かれた」
「...まぁ平塚なら安嶋も許しそう」
「え、許可制度なの？ひでくんに許可もらわないとダメとか、そんなのあるの？」
「いやだって、Aの周りにあの三人以外の男子が来たことある？...まぁ平塚に関しては黒田繋がりだろうけど」
優里奈の言葉に、思い返してみれば
確かに他の男子が近寄ってくることないなぁ...
なんて思ってしまって。
...え、ひでくんそんなことしてたの？ほんとに？
聞いたら教えてくれるのかな...。
「でもAと平塚、お似合いだと思う」
「え？」
「平塚が誰好きなのかは知らないけどさ、応援してるから。違うクラスだし夏休み終わったら簡単に会えなさそうだけど、きっとAなら大丈夫！」
「...うん、ありがとう優里奈！私も応援してるからね」
私がそう言うと、優里奈は"まだ好きではないから！"
なんて否定はするものの、頬が少しだけ紅くなっていた。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月20日 19時
