Lemon 14 ページ14
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最後の補習も無事に終わって、
なんとなく昔ひでくんとよく遊んでた公園に行けば
そこにはひでくんもいた。
「ひでくん」
「...なんとなくAが来る気がした」
「なにそれ、テレパシー？」
「...怒られちゃったよひらつに」
そう話すひでくんはなんだか
複雑そうな顔をしていて。
「どうしたの？ひでくん」
「...ひらつとくろちゃんがAの話をしてくる時に、素直に話に入れないの俺」
「...どういうこと？」
「ほんと鈍感だよね、Aって」
"でもそんなAが俺は好きだったのか"なんて
ひでくんは夕焼けに染まった空を見つめながら
呟いていて。
「...え、待って」
「俺、結構分かりやすいって周りには言われてたんだけどなぁ。...Aは手強いね」
ずっと知らなかった。
ひでくんは私にとって"幼馴染み"でしかなくて。
いつも私のお世話をしてくれるひでくんを、
私はお兄ちゃんみたいにしか思ってなかった。
「Aが好きなのは、ひらつだよね？」
「...ひでくん、わたし...っ...」
「いいんだよ、Aは悪くないし誰も悪くない」
「...」
「...Aのことが、昔からずっと好きでした」
私のことを見つめながら、そう告白してくる
ひでくんの目には涙が溜まっていて。
「...振って？」
「え？」
「俺のこと振って？...そしたら、ちゃんと諦められるから」
「......ごめんなさい...っ...」
私がそう呟いた瞬間、
ひでくんと私の目からは一滴の涙が零れた。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月20日 19時
