next to you 06 ページ6
.
「A、俺のこと避けてる？」
「...別に避けてない」
立ち止まりもしないし、湧ちゃんの方を
向いたりもしないけど廊下には二人しか
いないから普通に答えれば、湧ちゃんは
"嘘つき"なんて言ってきた。
...同じこと言ってきて、なんなのこの幼馴染み達。
「じゃあ、俺のこと嫌い？」
「...なんでそんなこと聞くの？」
湧ちゃんの隣には、佳奈ちゃんがいるんだから
私のことなんて放っとけばいいのに。
別に私に避けられようが嫌われてようが、
佳奈ちゃんがいればどうでもいいでしょ。
「また前みたいに普通に話したいから」
「...私と湧ちゃんが話して何かあるの？彼氏が自分以外の女と話してたら佳奈ちゃん悲しむと思うけど」
「佳奈も、Aと仲良くしたいって言ってるし...！」
「なんで？私と佳奈ちゃんが仲良くする理由ある？」
「...じゃあ聞くけど、クラスメイトと仲良くしたいって思うことっておかしいわけ？」
私が湧ちゃんの言葉に刺々しい言葉で
ずっと返すもんだから、湧ちゃんも
少しだけ棘のある言い方をしてきて。
「佳奈、女子の友達少ないからさ。頼むよ、A」
「......そういう時だけ、頼らないでよ」
結局、いまの湧ちゃんの一番は佳奈ちゃんだから。
私と話したい理由も、結局は佳奈ちゃん関係。
...湧ちゃん自身は別に私と話したくないわけでしょ？
「俺と佳奈が付き合ったのがそんなに気に入らない？」
あと少しで教室、ってところで湧ちゃんは私の腕を
掴むと、私にしか聞こえない声でそんなことを
言ってきた。
「......本気で言ってる？湧ちゃん」
気に入らないに決まってるじゃん。
湧ちゃんは私の気持ちを知ってて、
佳奈ちゃんを選んだんだから。
.
next to you 07→←next to you 05
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 668人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月16日 21時
