君の隣。 (ページ28)

今日:18 hit、昨日:10 hit、合計:159,396 hit

next to you 28 ページ28

.

「...佳奈ちゃんは、寂しいんじゃないの？」

独占欲がない子でも、彼氏が別の女の子と話してたら

やっぱり寂しいもんじゃないの？

私が佳奈ちゃんと友達になることを選んで、

湧ちゃんと私が前みたいに戻ったとしても、

結局喜ぶのは湧ちゃんだけじゃない？

...それならやっぱりこのままの方がいいよ。

「Aちゃん」

「...佳奈ちゃん」

「私のことは気にしないで、素直になって」

「え？」

そう言ってくる佳奈ちゃんの目には

うっすらと涙が浮かんでて。

...ほら、そんなこと言ってきたくせに

涙浮かべるなんてただの強がりじゃん。

「...いいよ、前みたいに戻ろ湧ちゃん」

「え、まじ？」

「佳奈ちゃんも、私で良ければ友達になろう」

もう、きっと私が引かないといけないんだ。

私が湧ちゃんに対する気持ちをリセットすれば、

きっと丸く収まる。

「え、いいの...？」

「うん。佳奈ちゃんが噂で聞いたような子じゃないのは、最近話してて分かったし」

湧ちゃんも、私が佳奈ちゃんと友達になるって

言うとは思ってなかったみたいで目を見開いてて。

「はい、湧ちゃんと佳奈ちゃん手出して」

私がそう言うと、不思議そうにしながらも

手を出してきた二人。

「湧ちゃんとは仲直りの握手で、佳奈ちゃんとは友達の握手だよ」

.