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「あ、A！」
次の日、体調も特に悪くなかったから
学校に行って愛未が来るのを待ってたら
朝練終わりの愛未が私に気付くなり、
抱きついてきた。
「もう大丈夫なの？」
「うん、いっぱい寝たし大丈夫」
ピースしながらそう言えば、
愛未は優しく頭を撫でてきて。
「びっくりしたよ、練習終わってAのこと探してたら元木に"具合悪くて帰った"なんて言われるんだもん」
「ごめんね、メッセージ送っとけばよかった」
「ううん、Aは何も悪くないから」
愛未はそう言うと私から離れて、
自分の席に荷物を置いてから椅子に座った。
「...湧ちゃんにお礼言わないと」
「元木？」
「うん...昨日保健室連れてってくれたの湧ちゃんだから」
そう言いながら、佳奈ちゃんと話してる
湧ちゃんを見てたらたまたま目が合って。
「え、元木来るよ」
「え、いや待って」
「...具合、もう大丈夫なの？」
焦ってる私と愛未なんて気にせずに、
湧ちゃんは私の目の前まで来ると
普通に話しかけてきた。
「...もう終わりにしよーぜ」
「え？」
「目逸らすとか、そういうの」
「...」
「俺はやっぱりAと前みたいに話したい」
「ちょ、元木」
「桃瀬は黙ってて」
なんて言おうか迷ってたら、
ちょうど湧ちゃん越しに佳奈ちゃんが見えて。
佳奈ちゃんの顔は、少しだけ寂しげだった。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月16日 21時
