君の隣。 (ページ23)

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「あ、Aどこ行ってたの！」

クラスのところに行けば、

なんだか慌てた様子の愛未が来て。

「ん？佳奈ちゃんと話してた」

「え、また何か言われたの？」

「愛未、佳奈ちゃんのこと警戒しすぎ。
普通に日常会話してただけだよ」

愛未も、そんなに噂話とか信じるほうじゃないけど

何故か佳奈ちゃんに対しては警戒心剥き出しで。

...まぁ、湧ちゃんが関係してるからか。

「てか、なんかA顔色悪くない？」

「え？そんなことないよ」

「ほんとに？あんま無理しないでよ」

「地獄の数学で疲れただけじゃん？」

「A、数学嫌いだもんね」

自覚症状も特にないし、

心配する愛未を他所にふと辺りを見渡せば

ちょうど颯ちゃんのクラスが練習していた。

「颯ちゃん、早いなぁ」

「...ねぇ答え出したの？」

「ん？...まだ出してない」

早く出さなきゃなとは思ってるんだけど、

未だに正解が見つからなくて。

「まぁ、ゆっくり悩んでいいんじゃない？」

「...うん」

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「はい、じゃあ練習始めるぞー！」

佳奈ちゃんを連れてきた湧ちゃんが

こっちまで戻ってくると、すぐに練習が始まった。

...なんか自覚症状ないとか思ってたけど、

若干頭が痛い気がする。

「Aちゃん、大丈夫？」

「あ、涼花ちゃん」

「私たち奇数だからあっちだよ、行こ？」

なんでこういうのって自覚してくると

どんどん症状が強くなってくるんだろう。

「具合悪いの？」

「...ううん、大丈夫」

このクラス対抗リレーの練習が終われば、

今日はもう終わりだしこれくらい耐えないと。

走順も後ろの方だし、それまでにマシになれば

どうってことないはず。

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