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6月に入り、月末に行われる
体育祭の練習が始まった。
私が出るのはクラス対抗リレーと
障害物競走だけだから結構暇なんだけど
愛未は運動部ってこともあって結構出る。
「Aちゃん」
「...佳奈ちゃん」
あれから湧ちゃんとは一切話してない。
佳奈ちゃんと友達になって、とも言わなくなった。
たまに目は合うけど、いつも私が逸らしちゃうし。
「湧、体育委員で忙しいからひとりなんだ」
「...そっか」
愛未はいろんな種目に参加するから、
必然的に練習に参加しないといけなくて。
愛未以外で私が結構話すような子たちも、
みんな運動部だから話し相手がいなくて。
障害物競走の練習は終わったけど、
まだクラス対抗リレーの方が終わってないから
ボーッとしてたら佳奈ちゃんが話しかけてきた。
「...Aちゃんって運動神経いいのに、どうして二種目しか出ないの？」
「面倒だから」
「好きじゃないの？体育祭」
「...普通。昔は行事大好き！って感じだったけど、高校入ってからは何とも思わなくなっちゃった」
部活もそう。
特にやることないし最初は入ろうかと思ったけど、
上下関係とかそういうのが面倒だなって感じて
結局どの部活にも入部しなかった。
「意外だね。好きそうなのに、そういうの」
「...あ、湧ちゃん来たよ」
ずっと俯いて、靴を弄りながら話してたから
疲れたなと思って顔を上げた時、
ちょうど湧ちゃんがこっちに向かって歩いてきてて。
「Aちゃん待って」
「...なに？」
「...湧と、仲直りしてほしいの」
私がその場から離れようと立ち上がったら、
佳奈ちゃんも同じように立ち上がって。
「...私と湧ちゃんがギクシャクしてたところで、佳奈ちゃんには関係なくない？」
私は佳奈ちゃんにそう話してから、
遠くで集まってるクラスのところに向かった。
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作者名：Tsumu. | 作成日時：2021年1月16日 21時
