君の隣。 (ページ21)

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「私も、颯太くんの提案に賛成かも」

次の日、昨日のことを愛未に話せば

愛未は野菜ジュースを飲みながらそう言った。

「このまま元木のこと好きでいるのは別に構わないけど、一回元木から離れてみるのもありだと思う」

「...湧ちゃんから離れる、かぁ...」

確かに、今まで湧ちゃん以外の人に

そういう感情を持ったことなかったから、

この機会に一回湧ちゃんから離れてみるのは

私もありだと思った。

...でも、相手が颯ちゃんだからすぐに頷けなくて。

颯ちゃんはああ言ってたけど、そうは言われても

颯ちゃんが傷付くのは目に見えてるから。

本人が大丈夫って言っても、そんなの簡単に

"あーそうですか"ってなるわけないじゃん。

「それに、颯太くんとAが付き合ったら、必ず颯太くんが傷付くって確証はないわけでしょ？」

「でも、颯ちゃんは私が颯ちゃんに恋愛感情を持ってないことを知ってて付き合うことになるんだよ？...傷付くに決まってるじゃん...」

「それはAが今まで元木のことしかそういう目で見てなかったから、そう思うだけじゃない？...颯太くんと付き合ったら、また違う颯太くんの一面見れるかもよ？そうなったら、どうなるかなんて分かんないじゃん」

愛未はそう言うと、空っぽの野菜ジュースのパックを

ゴミ箱に捨てに、席を立った。

...確かに愛未の言うことも一理ある。

今の私は"幼馴染み"の颯ちゃんしか知らないわけで。

颯ちゃんと付き合ったら、そういう感情がなくても

今まで気付かなかったところに気付けるのかな。

...私も、いつまでも湧ちゃんだけ見てるわけには

いかないのかなぁ。

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