君の隣。 (ページ3)

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「湧、やめてよ～！」

「いいじゃん別に～！」

朝、登校するとまだ教室には誰も来てなくて、

愛未が来るまで寝てようかと机に顔を伏せれば

廊下の方から聞こえてきた湧ちゃんと佳奈ちゃんの声。

「......さいあく」

私の小さな呟きと同時に教室の扉が開いて、

あれだけ煩く騒いでたのに二人が静かになるもんだから

あまりの気まずさに席を立って、教室から出ようと

湧ちゃんの横を通ると、腕を掴まれた。

「...なに」

「いいよ、俺らが出るから。眠いんでしょ」

「...別に気にしないで」

湧ちゃんの腕を振り払って、

教室から出ると目の前には階が違うはずなのに

なぜか颯ちゃんがいて。

「どうしたの颯ちゃん」

「なんとなく、AがSOS出してる気がしたから」

「...別に、出してないよ」

「うそつき」

颯ちゃんはそう言うと、私の腕を掴んで

どこかに向かって歩き出した。

「颯ちゃん？」

「...Aって嘘つくの下手だよね」

「急にディスらないでよ」

「だってそうやって思ったんだもん」

颯ちゃんに腕を引かれて階段を降りてると、

ちょうど愛未とすれ違って、颯ちゃんは愛未に

気が付くと"A、借りていきますね"なんて言って

そのまま階段を降り続けた。

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