君の隣。 (ページ20)

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「すぐに答え出してとは言わないから、ちょっと考えてほしい。俺のこと利用してるとか、俺に悪いとか、そういう考えは一切なしにして、一回考えてみて」

颯ちゃんはそう言うと、"じゃあ、おやすみ"と

家に帰ってしまった。

「......どうするのが正解なんだろ」

颯ちゃんも帰って、ひとりぼっちの部屋で

考えても答えなんて出るはずがなくて。

...だからと言って、お兄ちゃんに相談する気も

起きないし、今はもう一人になりたかった。

「お風呂入ろ」

このまま部屋でモヤモヤしたままでいても

埒が明かないし、クローゼットから下着と

部屋着を取り出してお風呂に向かった。

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「あ、うっちー帰ったの？」

お風呂から上がって、リビングでアイスを

食べていたらお兄ちゃんが降りてきて。

「結構前に帰った」

「ふーん...」

お兄ちゃんは興味なさげに相槌を打って、

冷蔵庫からレモンティーのペットボトルを取ると、

私の隣に座ってきた。

「...お兄ちゃんから一つだけ助言ね」

「なに？」

「甘やかしてくれる人には素直に甘えるべき」

お兄ちゃんはそう言うと、"じゃ、おやすみ～"と

ペットボトルを持ってリビングから出て行った。

「...素直に甘えるべき、か」

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