君の隣。 (ページ30)

今日:9 hit、昨日:24 hit、合計:159,506 hit

next to you 30 ページ30

.

「...まぁAはそういうと思った！」

放課後、颯ちゃんのクラスの前で待ってれば

すぐに颯ちゃんは教室から出てきて。

一緒に帰る道の途中で、一通り話し終えれば

颯ちゃんは意外にもスッキリとした顔をしていた。

「でも、Aはそれで大丈夫なの？」

「ん？...だって湧ちゃん、幸せそうだもん」

「...好きな人の幸せが、自分の幸せ？」

「そんなかっこいい言い方しちゃっていいの？」

実際、あれだけ佳奈ちゃんを拒んでたわけだし

そんな上手く言っていいのか分かんないけど、

意外にも前よりは私自身もスッキリとしていた。

「お兄ちゃんがね、私が何かアクションを起こしたら"湧の彼女"になる日が来るかもしれないって言ったの。なるようになるって」

「うん」

「...だから"なるようになる"と思って生きてくことにした」

「...ごめん、全然いみがわかんない」

「"難しく考えるのはやめた"ってこと！」

そうやって生きてれば、

もしかしたらまた湧ちゃんが私のことを

好きになってくれる日が来るかもしれないし。

...私が、颯ちゃんのことを好きになる日が

来るかもしれないし。

そんなの誰もわかんないけど、とりあえず今は

この感じが私には合ってるかなって。

「ま、いーんじゃん？おれは、ずっとAのことが好きだし。寂しくなったらいつでもおいでね」

「颯ちゃんにそうやって言ってもらえてる間は安心だね」

.