君の隣。 (ページ11)

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「え、佳奈ちゃんに友達が少ない理由？」

「うん。昨日颯ちゃんに理由聞かれて、なんでかなって」

昼休み、屋上で愛未とお弁当を食べてる時に

昨日から気になってたことを聞けば、

"Aは噂話とか興味ない子だもんね"なんて言い出した。

「私も佳奈ちゃんと同じ中学だったテニス部の子から聞いた話だし、全部信じてるわけじゃないんだけど」

「うん」

「なんかね、佳奈ちゃん独占欲が強いんだって」

「え？」

「依存しやすい体質みたいで、自分のそばにいる人はみんな自分の！って感じらしくて」

...そういう子ってクラスに何人か絶対いるよね。

だから、湧ちゃんから絶対離れないんだ。

クラスに誰かと付き合ってる子なんて、

あの二人以外にもいるけどその子達は

あの二人ほどずっと一緒にいないし、

ちゃんとお互いの時間も作ってる。

でも、湧ちゃんと佳奈ちゃんはずっと一緒だし、

離れてる時なんて放課後の部活の時間くらいだと思う。

「だからね、中学の時から揉め事が耐えなかったんだって。その子が自分以外の誰かと話してたら泣き出しちゃったり、勝手にお揃いのもの買ってきたり」

「...で、その事を知ってる佳奈ちゃんと同じ中学の子たちが言いふらしたから友達が少ないの？」

「多分ね」

愛未は一通り話終えると、

お弁当箱を片付けてパックのココアを飲み始めた。

「...なんで颯太くん、そんなこと聞いてきたの？」

「ん？あー...昨日佳奈ちゃんに友達になってほしいって言われて。その事、颯ちゃんに話したから」

「はぁ！？なにそれ初耳なんだけど！なんで黙ってたの！！」

「だって話すタイミングなかったし」

教室には湧ちゃんも佳奈ちゃんもいるのに、

話せるわけないじゃん。

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