#06 ページ23
『搬送すべて終了しました。
今回の出動、軽傷者9名、重傷者3名
死者は……
ゼロです！』
「ふぅ……」
比奈はERカーの扉にある段差に座って手足を伸ばした。
今日は随分と疲れた気がする。きっと小日向が助手として入ったオペのせいだろう。小日向のサポートは時に執刀医の力量さえ上げるが、実際はその速いスピードに自分がぐいぐい引っ張られているだけなのだ。それも、気づかないうちに。
「敵わないなぁ」
そう言った表情は明るい。
「比奈先生、今日は大活躍でしたね」
夏梅が比奈の隣に座った。
「あれはすごかったですヨ！
……私は、目の前の命を救うためにここにいるの。」
ミンが比奈の真似をしてみせる。
「もうミンさんたら、やめてください。恥ずかしい……。
それに、私がすごいんじゃないですよ。
私は、喜多見チーフから、いえ、MERから
そのことを教わったんです」
音羽と小日向以外の全員が比奈から視線を外した。身体をくねくねさせたり、頭を掻いたり……
「な、何ですか、みなさん」
「……いや、ちょっと面と言われると」
「ですね、いや、嬉しいんですけど」
「なんだか照れますねぇ……」
「今日って気温何度なんすかね、あっつ〜……」
「……顔火照ってきマシタ」
みんな顔が完全に緩んでいる。
それを見て小日向もなんだかにやにやしてしまった。ふと、こういう時ポーカーフェイスの医系技官はどんな顔をするんだろうと、こっそりその顔を覗いてみた。
「何ですか、A先生」
「……いえ、別に？」
抑えようとしても口角がさらににやにやと上がってしまう。
小日向は、今見た彼の顔を一生忘れないでおこうと心に決めた。
＊＊＊
帰宅した音羽は、自室の片隅に置かれた埃だらけの段ボール箱を開けた。その中から1枚の写真を取り出す。
何年も見ていなかったその写真を
写真の中の母は、笑っていた
その明るい琥珀色の瞳が、見えなくなるほどに――……
第2話 完
＊＊＊
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わさび醤油(プロフ) - 滴さん» 貴重なご意見ありがとうございます。読みにくくて申し訳ないです( ; ; ) 1ページに入れたい内容が多くて泣く泣く行間を詰めたり文章を削ったりしていて限界なんです（泣）初小説なのでご愛嬌ということで温かい目で見ていただければと思います... (2023年5月3日 16時) (
レス) @page8 id: 3684b727db (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて思ったのですが。。。 行間隔をあけたほうが良いのではないんでしょうか？ 行間隔が詰まっていると読みにくいので。。。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page5 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - すずもりさん» 返信遅くなってすみません💦コメントありがとうございます！月島さんかっこいいですよね。もう少しで完結ですが最後まで頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年10月31日 9時) (レス) id: bd4ab21637 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - 月島さん好きなのでありがとうございます♪(笑)更新楽しみにしてます❣️ (2021年10月17日 20時) (レス) @page48 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油 | 作成日時：2021年10月5日 19時
