#03 ページ20
「MERの小日向です。わかりますか?」
20代後半くらいの女性。左腕が大きく腫れている。すぐ隣には、同乗者の男性が女性を心配そうに見ていた。
「大丈夫ですよー、左腕固定しますね」
女性は目に涙を浮かべながらうなずく。
小日向が声をかけながらシーネで固定していた時だった。
「A先生!トラック運転手の50代男性、呼吸数40、心拍数100、血圧測れません!出血性ショックです!」
比奈が小日向に応援を頼む。小日向は女性の骨折部位を固定している途中で手が離せない。先にそれぞれに指示を出す。
「挿管してERカーに運んでください!ミンさん、O型輸血の準備!冬木先生、いけますか?」
『オペいつでもいけます!』
冬木の声を聞いて、比奈はストレッチャーに乗せられた男性をERカーに運んでいく。
突然、その腕をつかまれた。
反動でつかまれた方に身体が向く。
「何するんですか!……!」
その人物を見てはっとした。
「お兄ちゃん……!」
小日向がその様子に気づく。
――女性の連れがいない。
***
「ガーゼください。……テープ」
「血流遮断しました」
「千住隊長、OKです!」
喜多見が救出作業に当たっていた千住に合図を送る。
『よし!救出!』
喜多見と音羽は完璧な処置を終えて、男性の搬送に移ろうとしていた。
「こいつのせいで事故が起きたんだぞ!治療すんのは最後だろ!!」
ブルーシートの方から男性の怒鳴る声が響き渡った。
「比奈先生……?」
夏梅の手が止まる。
「そのせいであいつ骨折したじゃねえか!こいつなんかより先に運べよ!」
比奈の兄は、小日向が診ていた女性を指して叫ぶ。今にも比奈に飛びかかりそうな剣幕だ。
「比奈先生!!」
走り出そうとする夏梅を、喜多見が制止した。
***
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わさび醤油(プロフ) - 滴さん» 貴重なご意見ありがとうございます。読みにくくて申し訳ないです( ; ; ) 1ページに入れたい内容が多くて泣く泣く行間を詰めたり文章を削ったりしていて限界なんです(泣)初小説なのでご愛嬌ということで温かい目で見ていただければと思います... (2023年5月3日 16時) (レス) @page8 id: 3684b727db (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて思ったのですが。。。 行間隔をあけたほうが良いのではないんでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので。。。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page5 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - すずもりさん» 返信遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!月島さんかっこいいですよね。もう少しで完結ですが最後まで頑張りますのでよろしくお願いします! (2021年10月31日 9時) (レス) id: bd4ab21637 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - 月島さん好きなのでありがとうございます♪(笑)更新楽しみにしてます❣️ (2021年10月17日 20時) (レス) @page48 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わさび醤油 | 作成日時:2021年10月5日 19時