#09 ページ11
「「「「「おお〜」」」」」
「何ですか、みんなそんな声そろえて……」
「びっくりです、こんなに片付いてるなんて」
以前来たときからほとんど変わっていない部屋の様子を見て夏梅が言った。
「やっぱり涼香のためにもきれいにしておきたくて……」
「じゃあ全部ご自分で片づけてるんデスか？」
「あ、いや、えっと…、そのぉ、元つ……」
喜多見の歯切れの悪さに比奈が、あ、と口を開く。
「高輪先生ですか？！」
「何で知ってるんですか？！え？……音羽先生？！」
ふっと目をそらした音羽にすべてを悟る。
「え！もしかして今結構そういう感じですか！」
女性チームは慌てる喜多見にお構いなしできゃあきゃあ話を進める。
「まあまあまあ、こういうことは外野が騒がずそっとしておいた方が……」
そう言ういながらも、ふふっ、と笑ってしまう冬木。
「喜多見チーフ！俺、応援してるんで！」
「徳丸くんまで……」
今日は小日向の歓迎パーティーのために、喜多見の家にMERのメンバーが集まっていた。
音羽も私服姿で参加していた。本人曰く、
「私は涼香さんに手を合わせに来ただけですから」
だそうだ。
「ほら、今日は歓迎会なんですから、もう食べましょ！」
喜多見が全員分のお皿を並べていく。
「あ、その前に私も涼香さんに挨拶させてください」
そう言って、小日向は涼香の位牌の前で手を合わせた。
「ありがとうございます、A先生」
「いえ。赤塚知事から涼香さんのこと、伺いました。……私も一度、お会いしたかったです」
今もまだ、呼んだら笑いかけてきそうな遺影を見ながら、全員が彼女の生前の笑顔を思い出していた。
「あの……
場の空気を壊すようで申し訳ないんですけど……、
お供え物、積み上げすぎじゃないですか……？」
10人前はありそうな料理の山を見ながら、小日向の言葉に喜多見以外が頷いた。
＊＊＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 439人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび醤油(プロフ) - 滴さん» 貴重なご意見ありがとうございます。読みにくくて申し訳ないです( ; ; ) 1ページに入れたい内容が多くて泣く泣く行間を詰めたり文章を削ったりしていて限界なんです（泣）初小説なのでご愛嬌ということで温かい目で見ていただければと思います... (2023年5月3日 16時) (
レス) @page8 id: 3684b727db (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて思ったのですが。。。 行間隔をあけたほうが良いのではないんでしょうか？ 行間隔が詰まっていると読みにくいので。。。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page5 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - すずもりさん» 返信遅くなってすみません💦コメントありがとうございます！月島さんかっこいいですよね。もう少しで完結ですが最後まで頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年10月31日 9時) (レス) id: bd4ab21637 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - 月島さん好きなのでありがとうございます♪(笑)更新楽しみにしてます❣️ (2021年10月17日 20時) (レス) @page48 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび醤油 | 作成日時：2021年10月5日 19時
