#03 ページ33
「MER、順調そうですね、音羽統括官」
白金が音羽の報告書に目を通しながら言った。
机の上にはMER事業拡大の予算案と英字の医療雑誌が広げられている。
「この指導医候補の新しい医師だけど、アメリカのERで相当有名人らしいじゃないですか」
白金が雑誌の記事を指した。
音羽はちらっとその記事を見て、はい、と返す。
「こんな腕のいい医師をどうやって日本に連れて来たのかしらね、赤塚知事は」
意味深な言葉に白金は続ける。
「小日向Aの経歴を洗い直してください」
「……承知しました」
＊＊＊
──MER待機室
「A先生、今更ですけどロッカー使います？やっと届いたみたいで」
喜多見がひとつ増えたロッカーを叩いた。
「あ……でも私ここにいるのあと数か月しかないですし」
小日向はあくまで今後ほかの病院に設置される予定のMERの指導医の研修に来ているに過ぎない。あと4か月もすればここを出て行ってしまう。それにも関わらず新しいロッカーを用意してもらったことに申し訳ない気持ちになった。
「せっかくだから使ったらいいじゃないっすか！」
徳丸がガムテープをちぎって新しいロッカーに貼り付ける。
「ですね、名前、書いちゃいますよ」
小日向がもう一度断ろうとした時には、もう「こひなた」の文字がそこに書かれていた。
「……じゃあ使わせていただきます」
ふわっと笑いながらロッカーに荷物を入れる。
ハンガーにかけたジャケットが眩しいくらいに白かった。
『都庁危機管理室より伝達』
待機室に緊急アラームが響く。
ロッカーに入れたばかりのジャケットを手に取り、勢いよく扉を閉めた。
ふと芽生えた、ここを離れたくないという気持ちに蓋をするように――……
＊＊＊
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わさび醤油(プロフ) - 滴さん» 貴重なご意見ありがとうございます。読みにくくて申し訳ないです( ; ; ) 1ページに入れたい内容が多くて泣く泣く行間を詰めたり文章を削ったりしていて限界なんです（泣）初小説なのでご愛嬌ということで温かい目で見ていただければと思います... (2023年5月3日 16時) (
レス) @page8 id: 3684b727db (このIDを非表示/違反報告)
滴 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて思ったのですが。。。 行間隔をあけたほうが良いのではないんでしょうか？ 行間隔が詰まっていると読みにくいので。。。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page5 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - すずもりさん» 返信遅くなってすみません💦コメントありがとうございます！月島さんかっこいいですよね。もう少しで完結ですが最後まで頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年10月31日 9時) (レス) id: bd4ab21637 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - 月島さん好きなのでありがとうございます♪(笑)更新楽しみにしてます❣️ (2021年10月17日 20時) (レス) @page48 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油 | 作成日時：2021年10月5日 19時
