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spond ページ9

「……で、用があるなら手短にお願いします」

「通り魔、捕まってねぇんだから、お前ならまた簡単にぶっ倒されちまうかもな」

「……とても被害者にに言う言葉とは思えませんね」

「……だから、大人しく俺に送られろ」


 妙にドヤ顔で言われたけれども、それってつまり。


「私のこと心配してくれてるんですね」


 なんだ、言葉は悪いけど案外恋人らしい名残あんじゃんと関心しながら三途さんを見つめると、彼はとんでもないことを口にした。


「は?……勘違いすんなよブス」


 こっちが「は?」だよ。
 え、何度も確認するけど本当に恋人だったんだよね?
 
 それとも最近の子はこういうのが当たり前……なわけないよね。

 
「一人で帰りますね」

「おい待て」


 もう恋人でも何でもないんだし、こんなやつに構っていられないと呆れ返って踵を返したが、今度はより強い口調で呼び止められて、思わず振り返ってしまった。


「……心配、してるから、送ってやる」


 それだけ言うと彼はそっぽを向いてしまったが、私は見逃さなかった。
 そんな彼の耳が真っ赤に染まっていることを。
 
 不覚にもほんのちょっと、かわいいと思ってしまった。
 
 その感情に自分が一番びっくりして、そして認めてはいけないというように全身が強張るような錯覚さえ覚える。



 これはいわゆる……


「つ、ツンデレか……」

 
 ぽつりとつぶやいた私の声は、彼には届いていなかったようだ。






 それから、三途さんと並んで病院から家までの道を歩く。
 帰路といっても、私には全部覚えのない景色で。
 所々、うっすらと覚えているというかデジャヴを感じる風景はあるのだが、基本的には知らない街にやってきたような感覚は抜けなかった。


「……私のどこが好きなんですか?」


 沈黙に耐えかねて、興味本位に尋ねてみると、三途さんはこちらに目もくれずに口を開く。


「……言わねぇ」

「何でですか?」

「何ででもいいだろ、別に」

「……照れてる?」

「はぁ⁉︎ 勝手なこと言ってんじゃねぇよ」


 成る程。段々とこの男の扱い方がわかってきた。

 綺麗なお顔に似合わず口は引くほど悪いが、それもこのデレの裏返しのツンだと思うと見逃せた。

 隣を歩く三途さんは、よく見れば歩幅も私にきっかり合わせてくれていて、やっぱり本当に私の恋人だったんだなと思った。
 
 思わずじっと見つめていると、「何見てんだよ」と、案の定睨まれた。

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ぱーぷる姫(プロフ) - こういうの普段は読まないですけど、タイトルに惹かれました。読んで正解でした。鳥肌です。ありがとうございました (9月30日 18時) (レス) @page43 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 闇深いけど好きです笑 (9月2日 0時) (レス) @page44 id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
- やばい、ちょー好き、ストーカー系好きなんですよね笑 (6月4日 9時) (レス) @page45 id: 465dec3a48 (このIDを非表示/違反報告)
華夜(プロフ) - 衝撃展開...... (2023年3月28日 11時) (レス) @page34 id: e1dc7047a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅累 | 作成日時:2023年1月9日 11時

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