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Nice to meet you, hell ページ43

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『———先日、渋谷区で飛び降り事件が発生し、20代と見られる女性の死亡が確認されました。警察は、事件の可能性があるとして———』


「物騒な事件が多いなー」

「俺らが言えることじゃないけどな」


 血に濡れた部屋で、三人の男がそこら中に転がっている死体を蹴飛ばしながら、口を開く。

 血の海という言葉がまさに相応しく、死体の山と臓物の海という光景とは乖離的に、のんびりとした口調で部屋のテレビを見る男。

 三人とも体の一部に同じ刺青が刻まれており、およそカタギの人間ではないのだろうということがその雰囲気だけで感じ取ることができた。


「あ、そういえばあの女、殺した?」

「雇われの密売人だっけか」

梵天(う ち)に喧嘩売るとかよっぽどだよな」

「梵天だってこと、知らないんじゃなかったっけ」


 容姿の似た二人の男の一人が煩わしそうにテレビを消す。
 残るもう一人の男が背後で、拳銃をいじっている口元の傷が特徴的な男を振り返った。


「あれの処理、お前に任せたけどちゃんと殺ったんだろうな? かわいいからって襲ってたら引くぞ」

「テメェに言われたくねぇよカスが。さっさと行くぞ」


 そう一喝した後、彼らの質問は等閑にして男は歩き出す。


「否定しないんだ。あ〜。お前、好きな子監 禁しちゃうタイプだもんな。死んでても手元に残っとけばいい的な」

「うっわ。流石にそれは引くわ……」

「マジでうっせぇよテメェら‼︎ 殺すぞ⁉︎」


 死体の山。血の海。銃弾の跡で半壊している部屋の中。

 そんな惨状とは不釣り合いにケラケラと笑い声が響いた。


 とある反社会組織は、笑いながら人殺しを。


—————————


「彼女は?」

「あー……連絡つかないみたいです」

「そうかい。残念だね。彼女にはいくらか利用価値があったのに」


 とある製薬会社では、裏で非人道的な行いを。


—————————


「はいこれ、明日までに終わらせといて」


「あんた、そんなんだから結婚できないんじゃない?」


 とある会社では、働き詰めの日々を。


—————————


「ひっ……! 許してく———」


 とある何でも屋では、裏で悪の抹殺を。





 世界は回る。




 現実は、時に地獄だ。





 終

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ぱーぷる姫(プロフ) - こういうの普段は読まないですけど、タイトルに惹かれました。読んで正解でした。鳥肌です。ありがとうございました (9月30日 18時) (レス) @page43 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 闇深いけど好きです笑 (9月2日 0時) (レス) @page44 id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
- やばい、ちょー好き、ストーカー系好きなんですよね笑 (6月4日 9時) (レス) @page45 id: 465dec3a48 (このIDを非表示/違反報告)
華夜(プロフ) - 衝撃展開...... (2023年3月28日 11時) (レス) @page34 id: e1dc7047a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅累 | 作成日時:2023年1月9日 11時

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