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 目を覚ますと、自分の部屋の天井が見えた。
 慌てて体を起こすが特に問題はない。しかし布団は湿っていて、寝汗をびっしょりかいていた。

 呼吸を整えながら、ふと先程見ていたらしい夢のことが頭に浮かぶ。

 目を覚ましてもその夢は忘れることなんてなくて、今も私の頭にこびりついている。

 私の深層心理が見せた夢なのか、或いは私が思い出したがっているのか。

 あの女の子二人は……私の、友達……?
 名前が思い出せないのが唯一の難点だ。

 それよりも———


「(三途さんとは、中学校の同級生だった……?)」


 あくまで夢、しかもここには卒業アルバムもないから確かめようもない。
 本人にこんな不確定な夢のこと尋ねるのも気がひけるし、黙っていよう。


 だけど、ようやく自分の記憶らしきものを見て嬉しさはあった。
 自分にも友人がいたこと、それと、もし仮に彼が同級生だったのなら今こうして同棲してるのってなんかすごい奇跡を感じるよね。
 
 と、少女漫画脳なことを考えてから、私はその夢についてそれ以上考えるのをやめて、朝の支度をして部屋を出た。



「あ———」

「起きたか寝ぼすけ野郎」


 リビングでコーヒーを飲んでいる三途さんの姿を見た時、昨日あった出来事が一気にフラッシュバックして、私は火が出るくらいに顔を赤くした。


「あ? 何してんだ」

「そ、そっちこそ、よくそんな何食わぬ顔でいられますね……」

「? 何わけわかんねぇこと言ってんだ」


 ……え?

 もしかしなくても、覚えてない……?


「あー、変な夢を見たので……」

「夢くらい大人しく見ろや」


 適当に誤魔化したけれど、三途さんは特に疑わずにいつものテンションだ。
 まるで昨日とは別人だ。
 ……昨日の三途さんの方が口悪くなかったけど。

 まあ覚えてないならそれでいい。
 私だけこんな悶々とした気持ちを抱えるのは不本意だけど、昨日のアレは刺激的すぎて、覚えられてちゃ気まずくて会話もままならなそうだし。
 私も早く忘れよう……。なかったことに……。

 けどそれにしても、昨日の三途さんは一体どうしたのだろうか。
 酔っ払ってるわけじゃなさそうだったけど……。



「何ぼけっとしてんだ」


 いつの間に近くにいたのか、三途さんの綺麗な顔が私の顔を覗き込んでいて、私は反射的に顔を逸らす。


「は?」

「あ、朝ごはんに、しましょう……」


 ……しばらくは顔を合わせられそうにないかも。

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ぱーぷる姫(プロフ) - こういうの普段は読まないですけど、タイトルに惹かれました。読んで正解でした。鳥肌です。ありがとうございました (9月30日 18時) (レス) @page43 id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 闇深いけど好きです笑 (9月2日 0時) (レス) @page44 id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
- やばい、ちょー好き、ストーカー系好きなんですよね笑 (6月4日 9時) (レス) @page45 id: 465dec3a48 (このIDを非表示/違反報告)
華夜(プロフ) - 衝撃展開...... (2023年3月28日 11時) (レス) @page34 id: e1dc7047a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅累 | 作成日時:2023年1月9日 11時

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