三つ目の書記長 ページ9
時計の針を確認すればかなりの時間が過ぎていた。
「……つまり、人体実験をしている施設にここに泊まっている人間を片っ端から渡している、と。
そんな事を五分もかけて話すな」
下らん事で時間を無駄にしてしまった。
「それも、只の実験じゃない」
「それは知っている。『クローン実験を失敗させない為のクローン実験』だろう?」
男性は驚きの声を漏らした。
「し、知ってたのか?」
下らん質問に立ち上がって出口に向かって背で答える。
「最初からそれが目的だ」
男性から取った実験施設の地図を見せて、感謝の言葉を言っておいた。
冷たい空気と持っていたくない荷物に嫌気が差す。
ぐだぐだと文句を言っていたって目的は変わらないことにため息を吐き出しながら歩き出す。
クローンは失敗した時の失われる命を考えられて全世界で禁止された。
だが、この国は失敗しなければ良いと考えたようだ。アホか。
成功すれば大金が入るとでも思ったのだろう。
鬱蒼とした林に入る。
ポケットに入っていた白の手袋を付ける。
コートの中に必要な物が入ってるのを確認して、近くの木の下に荷物を置く。
さて、施設を爆破するか。
久し振りに暴れられる事に期待が暴れまわるのを理性で殴る。
裏口の扉に付いてる液晶に前もって調べておいた暗証番号を打つ。当たり前の様に開いた。
警備がばがばやんけ。裏口なんて作るなよ。
コートから小さいペットボトルを置いておく。中には並々と黄色い液体が入ってる。
キャップには少々細工が。
俺の能力__壁関係無しに、半径十メートル内を見れるのを使う。見付からない為に。
使いようで価値が変わるこの能力。
正しい使い方は、あの人から。
奥へと歩みを続けた。道中にペットボトルを置くのは勿論忘れずに。
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サドちゃん(プロフ) - おそらるさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていくので読んで頂ければ幸いです。(グルさんこの先も可愛いです) (2016年12月27日 10時) (レス) id: 6d48bffa47 (このIDを非表示/違反報告)
おそらる(プロフ) - この作品大好きです!応援してます!(グルさんかわいい) (2016年12月27日 9時) (レス) id: c936446b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サドちゃん
作成日時:2016年12月7日 21時