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二つ目の外交官 ページ13

ここはとあるカフェ。二人は外の日陰で座っていた。

一人は人目を引く黄金の髪に深紅の瞳。

もう一人は漆黒の髪に同じく真紅の瞳。

二人は仲良くバニラのアイスを食べていた。

いつもとは違い、額に汗を滲ませてるトントンの顔を見る。

寒い国で生まれ育った彼は化け物の様に寒さに強い。だが逆に言えば暑さに極端に弱い。

現にトントンの表情は疲労の一色で固まっていた。

先程買った伸びるアイスを口に含む。入れればあっという間に液体に変わり、舌に滲んでいく。

「どうしたトントン。アイス食べないのか」

俺のアイスは最早半分消えてしまっているが、トントンのアイスは先程から変わらない。

このままでは溶けてしまう。

「食べますよ。ただ、初めて食べるもんでね」

「美味しいぞ。もう少し後の季節だったらもっと美味しく感じられただろうがな」

やはりアイスは夏に食べるのが一番良い。

トントンはスプーンを再度握ってアイスを口に運んだ。冷たっと声が聞こえる。

二人の皿が空になるまで会話は無かった。

トントンが落ち着いたのを見計らい、俺は今回の旅の目的を説明することにした。

「この国、良い国だろう」

「……ですねぇ、なんでなんですかねぇ。」

「外交官が優秀と言う噂だ。なんでも喋る前に目的を当ててしまう程の実力を持った人も居るとか」

要らなくなったスプーンを指で振り回して遊ぶ。

「だけど、噂やろ?」

「あぁ、だけどここからは実話だ。

この国の外交官の一人が明日、処刑されるらしい」

トントンの表情が険しくなる。

「処刑する、と言う事は国が要らないと判断した、となる。

要らないならば横からかっ拐ったって構わんだろう」

「つまり、国の中心部に入るって事か?」

他にもやることは有るっちゃ有るのだが、今はまだいいか、と思い。

トントンの言葉に頷いた。

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サドちゃん(プロフ) - おそらるさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていくので読んで頂ければ幸いです。(グルさんこの先も可愛いです) (2016年12月27日 10時) (レス) id: 6d48bffa47 (このIDを非表示/違反報告)
おそらる(プロフ) - この作品大好きです!応援してます!(グルさんかわいい) (2016年12月27日 9時) (レス) id: c936446b5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サドちゃん
作成日時:2016年12月7日 21時

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