二つ目の不死者 ページ2
グルッペンは口では文句を言うが、表情は嬉しそうにしていた。
「Aは、何をしてここに居る？」
一通り撫でることに満足したので、手を引っ込める。
壁に凭れたままで、グルッペンの綺麗な目を見た。
「んと、なんだったけ、か。忘れちまったなぁ……て、嘘だよ、嘘嘘」
グルッペンから殺されそうな程痛い視線を受けて、久し振りの冗談は跡形も無く消されてしまった。
「グルッペン。この世界で、特殊な物が有るのを知ってるな？」
力強く頷いて、正しい知識を使うグルッペン。
「能力＿＿だ。一人の人間につき、一つ与えられる特別な物。だが、与えられた人間は数少ない、だ」
久し振りの笑顔を使う。
「イグザクトリィ、偉いぞ。グルッペン。正しい知識は正しい道を開ける。
僕は、その能力の力が強大過ぎるから閉じ込められた。ははっ、もう何年経ったかなぁ」
「強大、過ぎるから？ 俺だって能力は持ってるが、そんな、言われた事無いぞ」
「あぁそうだろうな。いいか、グルッペン。武器は、どんなに拙くても、ぼろぼろでも、使いにくくても。
何年もかけて磨いて、何年もかけて使いこなしてみれば。
最強の武器となる。
それは能力も一緒だ。
どれだけ周りから無能と蔑まれても、どれだけ矮小な物だと見下されても。
どう使うかは自分がやることだ」
グルッペンは大きく目を開いて、とても笑顔で聞いてきた。
「凄い、Aは何でも知ってる」
僕にとっては皮肉にも聞こえるその言葉。
「そりゃ、生きてるからねぇ」
君の何倍もの年月を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サドちゃん(プロフ) - おそらるさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張っていくので読んで頂ければ幸いです。(グルさんこの先も可愛いです) (2016年12月27日 10時) (
レス) id: 6d48bffa47 (このIDを非表示/違反報告)
おそらる(プロフ) - この作品大好きです!応援してます!(グルさんかわいい) (2016年12月27日 9時) (レス) id: c936446b5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サドちゃん
作成日時：2016年12月7日 21時
