どうしようもなく愚か者。 ページ7
そうは言ってもお腹は空く。
やれやれと頭をガシガシ掻いてため息を付く。
「多少手荒な行動でも取るか。言っておくけど、お前のせいでもあるんだから。手伝えよ？」
「ちっ。しゃあねぇなぁ。煙草一本分は働いてやるよ。」
少ない気もするが、働いてくれるのなら文句は無い。
どっかに武器が落ちていないか物色しだす佐紀。
何処かの配水管を蹴って鉄パイプを二本取ってくる。
一本僕に渡す所がやっぱり優しいと思う。
肩に鉄パイプを担いで歩き出す。
「...あそこか。」
佐紀が怠そうに呟いた後、速足で目的地に向かい出す。
待てよ、なんて言わずに駆け足で追いかける。佐紀はこんな時に静止の声を掛けても止まらない。
佐紀の鋭い目線の行く末を辿ると一つの路地裏を発見した。
駆け足から走って路地裏に突入して。
「屈め！」
力の限り鉄パイプをフルスイングした。
人の頭や脇腹を手加減無しで。
死んだって知ったっこっちゃねぇし。
「うわ。最近の鉄パイプって弱いのな。すぐ曲がる。」
「そもそも鉄パイプって人を殴るために産み出されたんだろ？頑丈に造っておけよな。」
そんな馬鹿みたいな会話をしていても、反抗してくるジジィ共をタコ殴り。
粗方片付いたので、ジジィ共のポケットを探り、お目当ての財布を抜き出す。
「っはぁ？しけてんな。なんだよ三千円とか、高校生か。」
「マジ？此方小銭しかねぇよ？駄菓子屋にでも行きたかったのかよコイツら。」
クレジットカードなんて最早ここでは使い物にならないので金しか抜き取らない。
抜き取った金は全て巾着の中へと。
「な、なにをしているんですか！？」
ヤバいと、そう思った。
振り返ると見慣れた忌々しいシスター服を来た奴が。
「あぁ、面倒な事になった...。」
とりあえず甘いものでも食べとこう [我々だ]→←どうしようもなく愚か者。
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作者名：サドちゃん
作成日時：2016年9月13日 19時
