どうしようもなく愚か者。[オリジナル] ページ5
跡が深く残ってしまうほどの自傷行為。
トラウマとなってしまう卑劣な虐待。
自ら生きることを諦めてしまうほど苛烈な虐め。
はたして、それらが無ければ救われないのだろうか。
自分を深く傷つけられない人は構ってちゃんと済まされるのか。
暴力は振られないが罵詈雑言を吐かれる人は、反抗期と流されるのか。
物が壊されなく、独りになり、陰口を言われるのは、ただの喧嘩と見なされるのだろうか。
違うだろう。
はたから見れば、軽度のトラブルと思うだろう。だけど、傷付いているのだ。皆は。
苦しくて辛くて、周りに相談してもまともにとりあってくれない。
証拠が無ければ動かない警察。
「私もそういう事があった。一人だけだと思うな。」と思ってもいない事を喋り、最終的に親に丸投げする学校。
親からはどうでもいいことで悩むなと呆れられて。
いったい誰にすがり、救いを求めればいいのか。
それとも、助けてくれるなんて、思っちゃいけないのか。
私なんかより悩んでる人がいっぱい居るのだろう。
だったら、その人が先に救われるべきなんじゃ?
「答えはNoだよ。」
誰かが龍に成ろうとする鯉の様に叫んだ。
それは確かに、辺り一帯に響き、潰され続けてきた感情が希望を見れた。
こんなものでは収まらないとでも言いたいのか、また音が響き出した。
「君たちはしっかりと、傷付いている、悲しんでいる!
辛いのに_苦しいのに、なぜいつまで経っても救われないのか?
答えは単純さ、他人は自分の痛みを解ってくれないからだ!
だったら伝えなきゃいけないだろう!解ってくれないなら、分かち合えばいいだろう!
平和な日常を過ごしている脳が詰まってないような無能どもに訴えなければ駄目なんだ!
こ の 世 界 が 、 酷 い 失 敗 作 だ と 言 う こ と を !
そして造り治そう!優しさで包まれている世の中を!
私達の為に!」
雄叫びと歓声で包まれた周囲は、確かに希望を見れた。
独りだけ、違うと否定した。
一人だけ、違うと思考した。
独りは一人を引っ張って、こう言った。
「行こう。間違ってるのを正そう。」
___さぁ、物語の幕開け。
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作者名:サドちゃん
作成日時:2016年9月13日 19時