星の幸福[短編集] (ページ28)

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君と、僕と、許されない三日間[とうらぶ] ページ28

死にたくはなかったが生きることにそこまで執着していなかった。
そんな死人みたいな僕は高校生の冬、突然。
誘拐された。
びっくり。

案内された部屋には半狂乱の人だらけだった。
うるさい。

コップを渡された。中身は水のように見えた。躊躇わずに飲んだ。全員強制的に飲まされていた。

誰かが言うに、この水は不死身になる薬のようだった。人魚でも捕まえたのだろうか。

全員に刀が渡されていくなか、僕は一人だけ大きい棒のようなものを貰った。
お札が貼られている。槍のようだ。こいつは前、ブラック本丸とやらに居た刀剣らしい。槍だけど。

日本屋敷に連れていかれた。気づけば人は居なくなっていた。

興味が疼いた。

お札を剥がした。

殺された。

不死身になっても痛いもんだな。槍に腹を貫かれながらそうしみじみ思えてしまった。
槍を勢いよく抜いたその青年。僕は膝から崩れ落ちる。

でも、死なない僕。

疑問に顔を歪ませる青年に向かって口を開く。うわっ、血を吐いたぞ。

「悪い、な。生、憎、と、不死身な、もんで」
そう言った瞬間、首が飛んだ。
意識を失った。