消えない過去、傷跡を[とうらぶ] ページ23
「はじめまして、見習いの優と申します」
「同じく、見習いの儡と申します」
「本日から一ヶ月、お世話になります」
「誠心誠意やりたいと思っています」
今日から私達は見習いとして一ヶ月、とある本丸に住まわせてもらう。
審神者になるために。
隣に居る優と名乗った彼女は凛とした姿。
一方私は儡と名乗ったぱっとしないブス。
もしかして私乗っ取りとしてでっち上げられるのではとひやひやしたが。
挨拶やらなんやらもろもろ終わらして、審神者から目が反れる。
「儡さん、一緒に頑張りましょう」
優さんは小声でそう呟いた。
素晴らしい正義感ですこと。
そう、ここ、もしかしてブラック疑惑が浮上している。
審神者の後ろに控えていた三日月の瞳は暗かったしなにより本丸の空気が澱んでいる。
普通の人間ならば救いたいとでも思うのだろう。
「勝手に救えば？ 私はなにもしない」
優さんと目も合わせずに歩き出す。
止めてくれ。
私は。
刀剣男士がこの世で一番憎いのだから。
儡・両親を早くに歴史改変にて失い、唯一の家族であった姉が元ブラック本丸の生け贄として捧げられた。現在政府の病院にて植物状態。姉を傷付けた本丸に復讐するために審神者を目指すが霊力が足りず、右目を代償に手に入れる。ようやく審神者の見習いまで登りついたがその本丸がブラック。なにもしないと言っておきながらも優のアリバイを作ったり影から手伝ったりする。
↓ここから書きたいシーン。
虐げられている刀剣男士をどうしても救いたいガール優VSどうしても刀剣男士と関わりたくない系女子儡。
「何故ですか、救いたいと、可哀想だと思わないのですか！？」
「＿＿アイツら、刀剣男士は、私から全てを奪った！！」
本心が流れ出る。
「憎くて憎くて憎くて憎くてたまらない。姿を一目見ただけでも殺したいぐらい嫌いだ！！」
「っ何方と、重ねて見ているのですか！？」
正論が私を突き刺す。
優、お前が合ってるよ。
お前が正しくて、私は間違っている。
「違います、ここに居る刀剣男士と貴方が憎んでいる刀剣男士は全くの別物です！」
「＿＿知ってるよそんな当たり前なこと！！ でも！！
ここに居る奴等が、アイツ等と同じ行動をしないだなんて言い切れるのかよ！？
放っておいたらこいつらだって同じ過ちをするんだ。確信を持ってそう言える！
そう言う目を、こいつらはしてる！」
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作者名：サドちゃん
作成日時：2016年9月13日 19時
