星の幸福[短編集] (ページ3)

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お先真っ暗ページ3

そういえば、言い忘れていた。実は私、霊感がめちゃくちゃある。
幼い頃から、直感でこれはイケナイモノだと思い、本能的に目も合わせないし、耳も貸さない。
視える事は誰にも言ったことは無い。親にも、親友にも。ずっとずっと一人で頑張ってきた、のに。

どうして神と言うのはこんなにも非道な事が出来るのだろう。

玄関、リビング、台所に一人ずつ。洗面所に赤ん坊。
んもうやだぁ。帰ろうぜ。
リビングに居る女の人なんてめっちゃ睨んでくる。そろそろ穴が空いて死にそうだ。
つーか血まみれ。皆血まみれ。なにこれ、ここで殺人事件でも起こりました？

「どう？結構綺麗だし、部屋も広いから、住んでも苦労はしないと思うんやけどなぁ。」
毎日苦労するわ。こんな家に住んだら三日で死ぬ。三日以内に死ぬ。
「えっと...うんと...」
戸惑いを口に出すと、香坂さんは優しい声で諭してきた。
「ゆっくり悩み？コーヒーでも淹れてくるわ。座って座って。」
待ってくれ香坂さん一人にしないでくれださい。
そんな心の叫びは香坂さんに伝わるわけ無く、台所に香坂さんは行ってしまった。

「あ"...あ"...」
んひぃ、カオナシだぁ。何て言ってるのかわかんなぁい。早く帰りたい。こんなところ絶対住まないから。
ここに住むぐらいなら無人島に放り出された方がマシだ。
「にぐい、にぐい"。」
え。誰？
聞いたことの無いどす黒い声に思わず反応してしまい、辺りを見回す。

「アはぁ、きこえてるぅ。」

あ、死ぬ。