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お先真っ暗 ページ2

「じゃあ、元気で。」
玄関まで送る。さっさと帰ってくれ。やりたいことが有るんだ。
「はい。香坂さんも、風邪に気を付けて。」
香坂さんは、表情を変えた。不思議に思っている顔だ、これは。

「住むところ、無いん?」

香坂さんを見る。何でそれを。
「あ、いや。仏間の隅に、大家さんからの手紙があって。」
慌てて香坂さんは否定する。
別に、この人には関係無いだろう。

「俺、今、シェアハウスに住んでるんだけど、Aちゃんも、来てみる?」
正直に言えば、この人は何を言ってるのかと思った。
普通、中学生をシェアハウスに誘うか?そもそも、そのシェアハウスはここの近所なのか?しゃべり方からして、関西、京都の人だろう。

「あの、学校にも通いたいし、転校も出来る限りしたくないんです。」
私は、遠回しに拒否する。
「いや、結構近いし、なんならキヨ...じゃない。友人が送ってくれると思うよ。」
「え、それは申し訳ないですよ。」
香坂さんは、綺麗な笑顔で言い切る。

「ええの、どうせあいつ、年中暇人なんやし、早起きになるから。」
この人...結構毒舌だなぁ。
「とりあえず、見てみよう?それから決めても、遅くは無いやろ?」
断り用もなく、私は顔を縦に二回、振った。

まさか、シェアハウスは事故物件だとは思いもせず。

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作者名:サドちゃん
作成日時:2016年9月13日 19時

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