episode2 ページ4
「起立、礼、着席」
めんどくさそうな声と主に、騒がしくなる教室。
これから部活やバイトとかで嘆く人たちに、この後の約束をする人たち。
そんな中、私は友達に挨拶だけ交わして、康二が友達と話し終わるのを待つ。
「あー、ごめん今日はAと約束あるねん」
「えー、またAちゃん？」
ふと呼ばれた名前に、少し反応してしまう。どちらかというと、また、っていう言葉が耳に残った。
「たまには私とあそぼーよ」、そう言う女の子に「ごめんな、」と言って私の方へと早歩きで向かってきた。
「Aー、ごめん話し込んでもうた！」
「ん−ん、別にいいよ。待ってないし」
手を合わせて謝る康二を見て、不覚にもかわいいと思ってしまう。
「ね、どこ行く？この時間帯だからあんま遠いところ無理だけど」
「あ、じぁあ駅前のところは？あそこめっちゃおいしいらしいねん」
廊下を歩きながら話していると、康二はスマホを取り出して私に駅前のカフェの写真を見せてくる。
見せるためにぐいっと距離がいつも以上に近くになり、少しだけ指が触れる。
「めちゃめちゃ行きたい。てかそこ行こ！」
「りょーかい！相変わらず甘いものには目がないんやな笑」
「うっさいな。だって好きなんだもん」
「ダメとは言ってへんやん！」
触れた指が少し熱を帯びて、指先が熱くなった。
いつも以上に近くにいる康二を変に意識しながら、駅前のカフェへと向かった。
続く (更新停止中)
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作者名：？ | 作成日時：2023年9月26日 21時
