episode1 ページ3
「なぁA!?」
「なにー?」
「俺また告られた!!」
「ふっ笑」
「鼻で笑ったな!?」そう騒ぐ康二をスルーして、康二が食べてるお菓子の箱からお菓子を抜き取る。そうすると康二は私のお菓子を食べやがった。
若干嫌な顔をすると、悪戯っ子みたいな顔をして、まるで仕返し、と言ってるみたいにお菓子を頬張った。
「あー!ねぇ私のお菓子!!」
「別にええやん、減るもんやないんやし」
「減るでしょ私のお菓子が!」
あれ好きなのに、そう言うと康二は笑いながら私の机に突っ伏して自分のお菓子を食べる。
そんな康二を見て、そういうところ好きだな、なんて無責任なことを思う。
私だけが知ってることとか、私だけの距離感とか。
そう思うと、改めて幼馴染でよかったなって思う。
「……まじで付き合ってないん???」
「え、うん」
「付き合ってへんて!それ何回言うん?笑」
めちゃめちゃ疑問形で言われるけど、こんなことなんて日常茶飯事。
元々康二は距離感おかしい方だから時々こういうことはあるけど、私とは多分幼馴染だからっていう理由でほかの女子たちよりかははるかに距離は近い。
幼馴染の特権ってやつ。
マジ神だなって思う。
康二と幼馴染にしてくれた両親には感謝しかない。
「A?もうすぐ昼休み終わるで」
「うっそ、まともに食べてないんだけど」
「考え事しとるからやろ笑。まぁ放課後なんか食べいこ」
「まじ?やった」
そう放課後の約束をして、康二は自分の席へと戻る。
めちゃめちゃ内心でガッツポーズをして、隠し切れないほどニヤけた顔を必死に隠す。
「ほんと、勘違いしちゃうじゃん」
ほんの少し熱い耳を触りながら、小声で呟く。
康二の方を少し見ると、次の授業の教科書は出してるけど、ほぼ寝ようとしている状態になって前の席の子としゃべっていた。
そんな康二を見て、少し笑っただなんて本人に言ったら怒られるかな。
218人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:? | 作成日時:2023年9月26日 21時