十四話:カミングアウト ページ17
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赤く光る瞳を目の前にして、あの時の激痛を思い出す。
逃げようと思えば逃げられたかもしれないのに、足が震えて動かない。
kr「………逃げないんだ?」
逃げないんじゃない、逃げられないんだ()
kr「……………じゃあ、遠慮なく。」
ぐっと首元に顔を近づけてくる。
痛みに耐えようと、目をつぶり身構える。
………が、いつまでたってもあの激痛は来ないし、力が抜ける感覚もない。
恐る恐る目を開けると、いつもと変わらない黄色い瞳のきりやんさんだった。
kr「冗談でーす!びっくりした?」
そう言ってぱっと手を広げるきりやんさん。
……………は?
「……怒っていいですか(全ギレ)」
kr「ヴァンパイアジョークだよーww」
何一つ反省してない顔だ。
許さない。
kr「でも、なんとなく分かった気がする。きんときが気に入る理由。」
「…………何がですか。」
kr「……そういうとこ。」
???
どういうところだよ??
折角きりやんさん、すごいいい人だと思ってたのに……。
嫌いになりそう。
怒りの念をかけてきりやんさんを睨む。
が、そんなこと気にせずきりやんさんは、リビングの扉に手をかける。
そのまま開けるのかと思ったら、こちらを振り向き、話し出す。
kr「まあ、いいこと…ではないかもしれないけど、一個、気を付けておいた方がいいこと、教えてあげる。」
「驚かせたお詫びとして」と、いたずらっぽく笑い、黄色い瞳を細めて口を開く。
kr「俺らは人間じゃない。いつだって美味しい血を狙ってるってこと、忘れない方がいいよ。」
そういうときりやんさんはリビングに入っていく。
………………俺らって?
俺らって……六人の事…ですか??
人間じゃないってどういう事ですか???
nk「Aー、廊下で何やってんのー?リビング入らないのー?」
なかむ君の声でふと、我に返る。
なんとか足を動かし、リビングに入る。
br「どしたの?」
混乱しまくる俺に、ぶるーく君が不思議そうに声をかけてくる。
その顔といい、声といい、人ではないと言われても信じられない。
「………いや……なんでも、ないです…。」
変なことを言ったら殺られる()
俺は思考を停止させ、目の前のゲームに集中することにした(現実逃避)
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肉ジュース - むいまる。さん» コメントありがとうございます、とても励みになります!!吸血鬼と言ったら🎤さん、みたいなイメージがありますw (2022年3月29日 10時) (レス) @page13 id: 7f90914a49 (このIDを非表示/違反報告)
むいまる。(プロフ) - コメント失礼致します!ものすごく面白い展開で、特に🎤さんの行動が解釈一致というか…笑 これからも無理をなさらず頑張ってください!応援しております😊💕 (2022年3月29日 7時) (レス) @page13 id: 4fbd112904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉ジュース | 作成日時:2022年3月17日 14時